Bad Days!~Good Memory~
@shirasu_kawahara
Bad Days!~Good Memory~ (1話完結)
俺は岩倉海斗。俺は今…殺人犯になった。ー
ー 全てが始まったのは1か月前。うちの両親が詐欺にあったことがきっかけだった。あの後犯人から毎日のように迷惑電話が来たらしく、1週間前からその内容が両親の命に関わるものになった。そして、4日前、俺は謎の男に出会って、人を殺してくれと言われた。
もちろん俺は断った。だけど…そいつのターゲットは両親に詐欺と迷惑電話をした奴だった。だから、俺はそいつの押しに抵抗出来ずに、その頼みを受け入れてしまった。そして今…俺はそいつを殺してしまった。
「あ…え、あ、あ、え…」
どうしよう…怖い…怖い…どうしよう…動けない…足に力が入らない…怖い…怖い……
「あら、お兄さん派手に殺っちゃったね~笑」
「えっあ、あ、えっと…すみませんっ」
「謝んなくて良いよ笑 俺達警察とかじゃ無いから笑」
「えっ、ヤバ!!!!」
「お前うるせぇよ笑 …え、百目鬼じゃん。」
「え、あっ…お知り合い、ですか?」
「いや、知り合いではないけど…」
「えっ君知らないの!? 詐欺と殺人のプロで、今全国で指名手配されてる百目鬼強多。」
「え、この人ってそんなにヤバい人だったんですか?」
「お前それ知らずにこいつのこと殺ったの!?
お前すっげぇな笑 もはや英雄じゃん!!」
「え…俺が、英雄?」
「君凄いよ!!!! こいつマジでエグい奴だから。このままほっといてたらもっと多くの人が此奴の被害に遭って大変な事になってたよ。
ありがとう!! だけど…流石にこのままにしておく訳には行かないね~ 龍也、何時もの持って来て。」
「了解!」
「海人は警備お願い。元太はこの子の事宜しくね!」
「は~い。」
「任せろ!!よしっ、お前はまず着替えろ。」
「えっ?」
「そんな血まみれな状態で外出れるわけねぇだろ笑笑 これ使っていーから。あそこでとっとと着替えてこい。」
「あ、はいっ。」 ー
ー 「お!いいじゃん笑 案外似合ってんね。」
「あっ、どうも。」
「こっち終わったよ~」
「俺ももうすぐ終わる!!」
「俺も終わった!!」
「俺らも終わった~!!」
「えっ似合ってんじゃん!!笑」
「だろ?笑」
「よしっ終わった!!」
「海人~ 戻って来て~」
「了解。」
「よしっ全員揃ったね!
それじゃあ、君も乗って。」
「えっ!?」
「俺、君の事気に入った!!笑
ちょっと付き合ってよ。君と話したい事が沢山有るんだ!!笑」
「俺もお前の事気に入った!!
一緒に行こうぜ?」
「あっ、はい、分かりました。」
「ありがとう!! あれ、座席空いてるっけ?」
「確か1個空いてる。」
「おっけー!! それじゃあ、元太案内してあげて!俺運転するから。」
「了解! はい、1番奥座って。」
「あ、はい!」
「あっ!! そう言えば俺ら全く自己紹介してなかったわ笑 まぁ家着いてから良いや。」
「家?」
「こいつ実家が金持ちだから別荘持ってんのよ笑 そんで、その別荘シェアハウスになってて、俺らはそこに住んでる。」
「はぁ、なるほど…」
「お腹空いた~~ 今日の当番誰だったっけ?」
「あぁ、俺だわ。」
「よっしゃ!! 楽しみ~~!!」
「陀威矢の料理マジで美味いもんね笑
お前も食べたらビックリするよ笑」
「ほぉ…」
「まぁ、楽しみにしときな!!」
「いや元太が言うなよ笑」
「は~い着いたよ~」
「ドア開けてそっちから出ていーよ。」
「あ、はいっ」
「うわっ広!!」
「だろ?笑 陀威矢!ここ何人までいけるんだっけ?」
「7人!ちょうど良いでしょ?笑」
「だな!笑」
「あ、どうぞ!! まぁゆっくりして行ってよ!!」
「あっ、どうも。お邪魔しま~す…」
「皆今日何食べたい?」
「肉!!!!」
「いや抽象的すぎるだろ笑」
「お肉あったっけ?ん~と…あ!! 豚肉ならまだあるけど何が良い?」
「ここは無難に豚の生姜焼きでいいんじゃない?」
『賛成~』
「了解!! ちょっと待ってて!!
あっ誰かお米炊いといてくんない?」
「俺やる!!」
「お!さんきゅー。」
「陀威矢ってお母さんみたいだよな笑」
「それな笑笑」
「陀威矢が母さんなら父さんは閑也だな!」
「だな!!笑」
「てゆーか、お前なんで百目鬼殺ったの?」
「えっ?え、っと…頼まれたんです。知らない人に。俺は1回断ったんですけど…その、百目鬼って人俺の両親にも詐欺してて。しかも最近脅迫されてて。あと、頼んできた人の圧がすごくて、断れなくて…」
「なるほどね~…やっぱお前からはなんか感じるわ笑」
「いやなんかってなんだよ笑」
「え~笑 分かんねーけど、なんか似てる気がする!俺達気合う気がする!!」
「ほんとですか、?」
「うん。まじ!!笑」
「あ~、でも、俺らと境遇は同じっつーか、確かに似たもの同士な感じはするわ。」
「だろ!?ほら!そーなんだって!!」
「お前しつけぇよ笑」
「は~い出来たよ~!!」
「美味そー!!」
「元太この前もそうやって言ってたよ笑」
「いや別にいいだろ笑」
「美味しそう…」
「だろ?早く食おうぜ!」
「いただきます。」
「美味っ!!」
「だろ?陀威矢料理得意なんだよ。見た目あんなにチャラけどね笑」
「元太さ~んその一言余計ですよ~」
「てかチャラいのは元太もだろ笑」
「てか俺ら全員チャラいでしょ笑」
「確かに!笑」
「あっ先ず自己紹介するか!!
それじゃあ、俺から時計回りね。あ、君も最後にお願いね!笑」
「えっと…斬島陀威矢です!こう見えて会社経営してま~す笑 宜しくね!!」
「進藤龍也です!! 未だに親のスネかじってます!笑 よろしく!」
「矢崎閑也です!食いしん坊です!笑
よろしく!」
「近藤海翔です!! そこら辺でバイトしてます笑 よろしく!!」
「中原海人です、ニート極めてます。よろ~」
「岩崎元太です!!元気なところだけが取り柄のニートです!!笑 よろしく!!」
「あ、皆さんよろしくお願いします!
俺は、岩倉海斗です。ここの近くの会社で働いてます。よろしくお願いしますっ」
「へぇ~、君もかいとなんだ!!笑」
「かいと多すぎだろ。」
「じゃあ…お前今日からクラな!!」
「あっ、はい!
あっ、ちなみに、皆さんのことは何とお呼びしたらいいでしょうか?」
「あぁ、俺は普通に陀威矢で良いよ!」
「俺も龍也でいいよ!」
「俺は閑也かしずって呼んで!」
「えっずや兄じゃないの!?」
「もう元太はそれでいいよ笑」
「あっ俺はチカって呼んで!かいと被ってるからさ笑」
「俺は海人で。」
「俺は元太って呼んで!!」
「分かりました!!」
「てか、普通にタメ口でいーよ笑
なんか、距離感じちゃうしさ。」
「あっ、うん!分かった!」
「あ!それでさ、本題なんだけど…クラ、此処に住まない?」
「え?」
「俺達の仲間になって欲しいんだ!! ちょうど1部屋余ってるし、クラからは俺達と似たものを感じるから、どうかな~って思って。まぁ、単なる俺の自己満なんだけどね笑」
「賛成!!クラ、一緒に住もうぜ?」
「え、あ…」
「ここめっっちゃいいよ?」
「そうそう!!!! 此処ね、家賃はたったの2万円!!!! それに、自炊は週に3回、掃除は週に1回するだけでOK!!!! 電気代、水道代、ガス代、その他諸々払わなくてOK!!!! 家賃以外に掛かる費用は、月に1回か2回ある買い出しの費用だけ!! どう?めっちゃ良くない?住みたくない?」
「しかも新築だぜ!!笑」
「すごい…住みたい…」
「よしっじゃあ決まり!!!!
あっ!! 此処に住む上で、1つだけ条件が有るんだけど、良いかな?」
「うん!!」
「此処に住む条件は…犯罪者である事。そして、善意で犯罪をしている事。そして、1番大事なのは…此処に住む全員の罪を隠す事。
どう?守れそう?まぁ、クラなら大丈夫だとは思うけどね笑」
「守れる!! 絶対守る!!」
「じゃあ、クラの入居決定!!!!
取り敢えず、この後家まで送るから、今日中に荷物纏めちゃって!! 明日の朝迎えに行くから!!」
「分かった!! ありがとう!!」
「やった!仲間が増えるぞ~!」
「久しぶりの新入りだな。」
「ね!!」
「てか俺先輩になるの初めて!!」
「そうじゃん!!」
「元太が先輩とか考えられねぇわ笑」
すごく賑やかな雰囲気で、楽しそうだった。
この人達が全員犯罪者だなんて信じられない。でも…ここに住めば、俺は変われる気がする。強くなれる気がする。まだ俺の人生は終わらない。ここから、俺の第2の人生の幕が上がる。俺は新たな1歩を踏み出す。ー
ー とりあえずここに来たものの…俺、これからどうすれば良いんだろう…まだ百目鬼の死体は見つかってないし、見つかったところで犯人は俺だと特定出来るものはない。俺は家に籠らなくても普通に生活出来る。だけど…とてつもない罪悪感が俺を家の中へと引きずり込む。俺はこれからどうすれば良いんだろう…どうすべきなんだろう…俺はこのままのほほんと暮らしていて良いのだろうか…人を殺した俺に、居場所なんてないよな…
「クラ?お前まだ起きてんの?」
「元太くん…」
「呼び捨てでいいって笑 てか、お前こんな時間まで起きてたら寝不足になるぞ?」
「なんか寝れなくてさ…」
「あ!分かった笑 クラ今罪悪感でやられてるでしょ?笑」
「え?あ、うん…」
「やっぱり笑笑 みんな最初はそーなるよな。」
「え?」
「クラも俺も、他のみんなも、初めて悪いことしたときは罪悪感に支配されんだよ。てゆーか、クラがいいやつならそーなるのは当然だから。あんまり深く考えんな。」
「ありがとう。でも、俺…」
「ねぇクラ。知りたい?」
「え?なにを?」
「俺たちの過去。それ知ったらクラも絶対強くなれるから。」
「強くなれる?」
「うん。俺も初めて人殺した後すぐ陀威矢に拾われてさ。そんで、そのときに陀威矢と話したら俺結構楽になったから、クラにも俺が陀威矢に言われたこと言ったら、クラも大分楽になるかなって思って。」
「ありがとう。皆の過去、知りたい…!!」
「クラならそう言ってくれると思った!笑
えっとね…陀威矢と俺とクラは始まりが結構似てるんだよね。陀威矢は執事が、俺は親父が結構ヤバい殺人鬼に殺されてさ。そいつ殺せば敵取れるし、英雄になれんじゃん!!って思ってそいつ殺したところから始まったんだよね。んで、そのとき陀威矢も俺も犯罪組織のボスに見られてて。そこで目つけられて、今見たいな感じになってる。ここも元々陀威矢の執事が管理してたらしいんだけど、陀威矢がその人が亡くなったのを機にシェアハウスにして、今みたいになったんだって。で、龍也とずや兄は、龍也の母さんが病気になって結構な額の治療費が必要だってなったときに、龍也は子供でも金稼げる方法ないかなって考えたんだって。そんで、龍也頭イカれてるからさ笑 龍也、謝礼金もらおうって考えたんだって笑 マジでぶっとんでるよな笑笑 そんで龍也はずや兄と協力してそのとき話題だった指名手配犯探すことにしたんだけど…龍也とずや兄そいつ見つけたんだって笑笑 マジですごくね?笑笑 でさ、龍也の母さんは元気になって龍也とずや兄は普通の学生に戻ったんだけど…その後2人が捕まえたやつが脱獄したんだって。で、龍也とずや兄が犯罪組織に目つけられて、そいつを殺してくれって言われたんだって。龍也とずや兄はそれが始まりらしい。チカと海人と同じような感じだったかな。だから、陀威矢が言ってたと思うけど、俺らは全員犯罪者だし、陀威矢が言ってた通り、ここには善意で犯罪やってるいいやつしかいない。てゆーか、いいやつじゃないとここには入れない。だからさ、俺が言うのはちょっと変だけど、クラはいいやつなんだよ!笑 んで、俺がここ来てすぐのときに陀威矢に言われたのが、お前は英雄だ っていう言葉だったんだけど…まぁ、そのまんまの意味だな笑 クラは、百目鬼による被害を止めた。極悪人1人の命と、罪のないたくさんの人の命。どっちか1つしか助けられませんって状況で、ちゃんと正しい方を選んだクラはすごいんだよ。かっけぇんだよ。だから大丈夫。なんにも背負うものなんてない。だから、クラはクラらしく、これからも堂々としてろ。あと、俺と陀威矢は大切な人を失ったけど、クラは失わなかった。守りきった。それってマジですごいことだし、それが出来たクラはマジでかっけぇ。だから、もっと自分に自信持て。一緒に胸張って生きようぜ!!」
「皆そんな辛い過去があったんだ…なんかごめんっ…でも、ありがとう!! 元太のお陰で大分楽になった!!」
「大丈夫だよ笑 ただの笑い話だから。
クラの過去もいつか楽しい笑い話になるよ。
やっぱり楽になったっしょ?笑
よし!!じゃあ明日一緒にコンタクト買いに行くぞ!!」
「え?なんでコンタクト?」
「これ。これつけたら、クラは正式に俺らの仲間になれるから。明日昼飯食ったらすぐ行くぞ!店は俺が案内するから。」
「分かった!! ありがとう!!」
「じゃあ、おやすみ。小さな英雄さんっ」
「…おやすみっ」
元太は俺より年下なはずなのに、俺よりもずっと強くてカッコよく見えた。ここにいる人は皆そうだ。やっぱり俺も強くならなきゃ…!!
いや…自分らしくいれるようにしよう。
澄み切った夜空を、綺麗な流れ星が横切った。俺は…英雄になる。ー
ー 「おぉぉお!!似合ってんじゃん!!
クラ、改めて入居おめでとう!!」
「ありがとう!!」 ー
ー 「クラ!お疲れ様っ!!」
「陀威矢くん!! お疲れ様!!」
「陀威矢で良いよ笑
どう?ここにはもう慣れた?」
「うんっ結構慣れてきたよ!!」
「良かった!! ちょっと話そうよ!」 ー
ー 「へぇ~、そうだったんだ。やっぱりクラ俺らと似てるわ笑 今の世の中って本当に物騒だよね~…もう嫌になっちゃうよ笑」
「え、陀威矢そんなこと考えてたんだ。」
「まぁね笑 だってさ~、考えてみ?周りとちょっと違うだけでブーブー言われなきゃいけないんだよ?そんなの嫌じゃない?」
「確かに。」
「人は見かけによらないって言うじゃん?
俺あれ本当だなって思ってて。俺達って犯罪者だけどさ、別に悪い奴じゃなくない?まぁ、自分で言うのもなんだけどね笑 でもさ、そうゆうのってマジで良くないよね。だってさ、何でも自分の目で見てないと分からなく無い?俺もさぁ、悪い事考える奴が居るから犯罪者になってるだけで、そうゆう奴らが居なかったら犯罪なんてしてないもん。ねぇ?クラもそうでしょ?」
「うん!! 確かにそうだね。」
「でしょ!? だからさ~、この世から悪い奴なんて消えれば良いのにって思うんだよね。この世の全員が良い人だったら、戦争も犯罪も起きなくない?」
「うん。」
「不思議だよね~人間って。皆同じ生き物なのに、お互いに傷つけあっちゃうんだもん。可笑しいよね笑 まぁ、俺も人の事言えないんだけどね~笑 不思議だらけのこの世界で暮らしてる俺らって、案外凄いんだね笑」
「そうだね。」
「だからさ、クラ。フラットに行こ!笑
一緒に人生楽しもうぜ!!」
「うん!!」 ー
ー 陀威矢は強くて、カッコよくて、優しい。
いや、ここに住んでいる人全員が強くてカッコよくて優しい。俺ももっと強くなりたい。胸を張れるようになりたい。
「誰からだろう?え…」
あいつからだ。もしかして、また殺人の依頼…?嘘だろ…あんなに怖いの、もうやりたくないよ…いや、待て。俺はこのままでいいのか?ここで1歩踏み出すって、俺は英雄になるって、そう決めたんじゃないのか?俺はもうへなちょこなんかじゃない。俺は、もうあの引っ込み思案でくよくよしてたときの俺じゃない。俺は…英雄になるんだ!!
『もしもし。岩倉です。』
『お!海斗くんお疲れ様~
百目鬼殺ってくれてありがとね!』
『あ、いえっ俺の両親のためだったので、あのくらい全然大丈夫です!』
『海斗くんは優しいね!!笑
それでさ、早速次の依頼をしたいんだけど…海斗くん大丈夫そ?ほら、あの~…精神的なあれとか色々あるじゃん?そうゆうのも含めて大丈夫そう?』
『はい!!大丈夫です!!』
『お!頼もしいね~笑
それじゃあ、俺が後で送る場所に次のターゲット呼ぶから、その後はよろしくね!
時間とかは決まったらまた連絡するね~』
『分かりました!!』
『それじゃあ、またね~』
引き受けちゃった…でも、俺は英雄になるんだ。沢山の人を助けるんだ。俺がやるんだ。やってやるんだ。俺は、英雄なるんだ。ー
ー あれから2年経った。あの頃よりも少しは強くなれた…と思う。俺はあれからあいつの依頼を100件くらい受け取った。俺たちみたいなのがいるからかは分からないけど、年々大きな犯罪は減ってきている。ちょっとした事件はまだあんまり少なくなってきてないけど、今後少しでも犯罪が減ってくれたらな~
と思う。まぁ、俺も人のこと言えないんだけどね笑 皆との仲も深まって、俺たちは固い絆で結ばれいる。このまま、この7人で、ずっとここで暮らしていけると思ってた。でも…それは間違いだった。ー
ー ある日、俺は寝るために自分の部屋に戻ろうとしたら、いつもはきちんと閉められている陀威矢の部屋の扉が少しだけ開いていた。俺はそれが気になって、陀威矢の部屋の方に耳を澄ました。すると…
「やっぱり、悪い事する奴には良い事なんて起きないんだよ笑 神様って皆に平等に幸せを分け与えるからさ。やっぱり俺が幸せになる運命なんて無かったんだよ笑 でも…もう充分かな、笑 だってさ、俺には最高な仲間が居るし、仕事も上手く行ってたし、何より、俺は沢山の人の命を救う事が出来た。それだけで、もう充分だよね。それだけ与えられたなら、もう俺が貰える物なんて無いよね笑 神様はもう、俺を見てくれない。それでも…俺の人生、最高だったな~ ありがとう、地球!
俺は幸せ者だったよ!」
え…陀威矢、何したの?死ぬの?いなくなるの?え、どうゆうこと?もしかして、陀威矢に何かあったんじゃ…
『緊急!!皆リビング集合!!』
元太だ…新しいグループLINE作ってるし…やっぱり陀威矢に何かあったんだ…ちょっと調べてみよう。
『"20年に1人の凶悪犯" 正体は斬島陀威矢氏か。今までに行った犯罪は1000件以上との噂も。』
え…これどうゆうこと?陀威矢が20年に1人の凶悪犯!? 陀威矢はそんなやつじゃない。陀威矢は強くてカッコよくて優しいめっちゃいいやつだ。陀威矢のことをそんなに悪く言うなんて…しかも斬島陀威矢がトレンド1位になってるし…とりあえず、リビングに行って皆と話そう。ー
ー 「おぉ!クラ!」
「元太!! 皆は?」
「まだ来てないけどもうすぐ来るっしょ。」
「お待たせ!」
「あれ、チカと海人は?」
「お!龍也!ずや兄!」
「こんな夜中に起こすなよ…」
「お待たせ!海人のこと起こしてたら遅くなったわ笑」
「だってねむいんだもん。」
「よしっ!とりあえずこれで全員揃ったね。
それじゃあ…どうする?陀威矢のこと。てゆーか、みんな率直にどう思う?俺は、正直悔しい。陀威矢のことあんな風に言われて、マジで悔しい。陀威矢はそんな悪いやつじゃなくて、めっちゃいいやつだって、ちゃんと世間に伝えたい。陀威矢は俺らのことを助けてくれた。だから、今度は俺たちが陀威矢のことを助けたい。俺はそう思う。」
「俺もそう思う!俺は、皆の中だと1番陀威矢と関わってきた時間が短いけど、それでも、陀威矢があんな風にに言われるのには納得いかない。俺は元太が行った通りだと思う。」
「俺も悔しい。陀威矢のこと助けたい。」
「俺も陀威矢のこと放っておけない。」
「陀威矢だけ悪者呼ばわりされるなんて許せない。陀威矢が犯罪者なのは事実だけど、陀威矢は悪いやつじゃない。陀威矢はいいやつなんだ って、ちゃんと皆に伝えたい。」
「俺もそう思う。それじゃあ、どうやって陀威矢を助けるか、皆で考えよう。誰か何かアイデアある人いる?」
「…絶対ここに警察来て色々されるよね。」
「陀威矢ん家の本邸ってまだ残ってるんだっけ?」
「どうだったっけ…でもあそこ結構遠いよ?」
「あ、そっか…」
「海外とかどう!?」
「いや、空港行った時点でアウトだと思う。」
「マジか…」
「えぇ、クラなんかないの?」
「えっ俺?え~っと…あえて警察に突き出してみる、とか?」
「はぁ!?!? お前何考えてんだよ。」
「そんなことしてどうするんだよ。」
「まぁまぁ、2人とも落ち着いて。
クラ、詳しく聞かせて?」
「あ、うん。陀威矢を警察に突き出したら、陀威矢は逮捕される。陀威矢が逮捕されたら、裁判になる。それで、その裁判で陀威矢の弁護人になる人と協力して、陀威矢がいいやつだっていうのをそこにいる全員に伝える。そしたら、その内容が全国に伝わる。そうすれば、全国の人に陀威矢はいいやつだってことを伝えられる。っていう感じなんだけど…どう?」
「確かに筋は通ってるけど…」
「陀威矢だけムショ行きとか俺はやだ。
クラは陀威矢のことなんだと思ってんだよ。陀威矢だけムショ行きでもいいのかよ…」
「それは嫌だ。だから、俺たちも行くんだよ、刑務所に。」
「は?」
「なんで俺らが行かなきゃいけねぇんだよ。」
「犯罪者だからだよ。俺も、皆も、刑務所なんて行きたくないと思う。でも…陀威矢を1人には出来ない。裁判で俺らが陀威矢はいいやつだって全力で伝えたら、陀威矢の罰は軽くなると思う。そしたら、俺たちも自首して、皆で刑務所に入ればいい。失敗するなら7人で失敗した方がいいし。てか、俺はそうしたいし。それに、俺たちにはまだチャンスがある。何回だってやり直せる。だから、俺は…陀威矢を助ける方法はこれしかないと思う。」
「俺もそう思う。陀威矢のためだったら、俺なんでも出来るし、陀威矢のこと助けたいし。」
「俺はや」
「海人はさ、陀威矢がどうなってもいいの?
この7人がバラバラになってもいいの?
俺らが何もしなかったら、陀威矢一生刑務所で暮らすかも知れないんだぞ?海人がそれでもいいって言うんだったら、俺は別にそれでもいいけど…海人は本当にそれでいいの?」
「そうゆう海翔はどーなんだよ。」
「俺もクラの意見が1番良いと思う。陀威矢のことずっと隠してても世間からしたら陀威矢は悪者のままだし、俺も陀威矢を1人にさせたくない。」
「俺も、バラバラになりたくない。ずっと7人でいたい。」
「俺も。ずっと7人でいれるなら、刑務所なんて怖くない。」
「海人は?」
「…刑務所行くのは怖いけど、陀威矢のこと助けたい。陀威矢のこと放っておけない。」
「大丈夫。俺らがついてるから。
それじゃあ、クラの意見を採用するってことで良い?」
『うん!』
「それじゃあ…俺たち7人、ずっと一緒にいても良いですか!?」
『賛成!!!!!!!』 ー
ー 「皆…ごめん。俺の所為で、皆にも不名誉なレッテル貼っちゃったよね…本当にごめん。もう俺の事は放っといて良いからさ、笑 皆は、6人で楽しく、笑顔でいてね。俺は、皆が笑顔ならそれで良いから!」
「ふざけんな。てか謝んな。俺らは名誉なんて気にしてねーよ。俺らは7人で一緒にいることだけを望んでんの。だから勝手に自分だけいなくなろうとするなよ。陀威矢だって、本当は7人で一緒にいたいだろ。誰も得しない嘘なんかつくな。無駄にいい子ぶるのとかやめろ。俺らはありのままでいーんだよありのままで。それが俺たちだろ?」
「元太…」
「ほんとそーだよ。素直になれよ。」
「いやそれは海人もだろ笑」
「うるせぇよ。」
「自分が手に入れたいもの、全部手に入れるんじゃなかったっけ?もうその夢諦めちゃうの?」
「まだまだ俺らの人生は続くんだから。そんなに荷物背負ったって意味ないぞ。」
「俺らは7人で1つだから。陀威矢だけ抜けられたら困る。陀威矢さ、自分の存在の大きさに気付いてないでしょ笑」
「今度は俺たちが陀威矢を助けたい。陀威矢の荷物は、7等分して皆で背負う。それが俺たちだと思う。だから…皆が言った通り、そんなことは言わないで欲しい。」
「皆…ありがとう。俺、皆と出逢えて本当に良かった。皆と出逢えて、俺本当に幸せ。皆、本当にありがとう。やっぱり、俺達は7人じゃないと駄目だよね笑 よしっこれからどうするか皆で考えよう。皆、何か意見有る?」
嫌な音が、静かに響き渡った。
「来ちゃった…どうしよう…」
「作戦がある。」
「えっ、なに?」
「陀威矢は今世間からは凶悪犯だと思われてる。だけど、実際陀威矢はそんな悪いやつじゃない。むしろめっちゃいいやつ。だから、俺たちはそれを世間に伝えたい。陀威矢のイメージを、このままにしたくない。だから…1回刑務所に行って欲しい。もちろん、俺たちはずっと一緒だから安心して!俺たちがどうにかして陀威矢のイメージひっくり返すし、陀威矢のところに行くから。」
「それって…皆も捕まるって事?俺、そんなの嫌だよ…」
「文句言うな。陀威矢のために言ってんだぞ。それに、俺たちは何も怖くないから。」
「この7人なら、怖いもんなんてないだろ?」
「ありがとう。…行ってくるね。」
『行ってらっしゃい。』
「また必ず、この7人で逢おうね。」 ー
ー あれから1年。今日から陀威矢の裁判が始まる。俺たちの作戦、上手く行くと良いんだけど…きっと大丈夫だよね。ー
ー 「それでは、弁護人側の主張をお願いします。」
「はい。斬島さんは、自分を悪者にしてまで沢山の人の命を助けようとしました。そして、本日までに沢山の人の命を助けました。よって、私は斬島陀威矢さんの無罪を主張します。そして、斬島さんの同居人の方々から手紙が届いているので、読みあげたいと思います。」
「え?」
え、なになに、どうゆうこと?手紙とか聞いてないんですけど!!あ、陀威矢のイメージひっくり返すって、手紙でって事!?は~、なるほど。彼奴ら中々やるじゃん笑
「今ここにいる皆様へ
陀威矢が犯罪者であるということは紛れもない事実です。ですが、陀威矢は悪者ではありません。陀威矢に対してどのような判決を下すかは皆さん次第ですが、陀威矢のことを悪く思うのは辞めて欲しいです。僕達は、生きづらさを感じていたとき、陀威矢に救われました。陀威矢のお陰で、僕達は今幸せに暮らすことが出来ています。陀威矢は、人生のどん底にいた僕達に優しく手を差し伸べてくれました。僕達にとっては、いや、僕達以外の多くの人にとっても、陀威矢は命の恩人なんです。陀威矢が罪を犯したことは事実です。陀威矢が傷つけた人もいます。ですが、陀威矢が奪ったのは極悪人の命だけです。極悪人のために傷ついてあげられる人達は優しすぎます。仕方がなかった と軽く受け流すことは難しいと思いますが、どうか、前を向いて、素敵な人生を歩んでください。陀威矢は弱者に手を差し伸べられる優しい人物であり、過酷な環境を生き抜いた強い人物でもあります。そして、陀威矢は僕達が大好きな人です。彼の善意を、どうか、少しだけでもいいので、認めてくださると嬉しいです。
最後に、陀威矢、俺たちをここまで強くしてくれてありがとう。これからもずっと7人は一緒だからな!! お前は英雄だ。一緒に胸張って生きようぜ!! 近藤海翔、中原海人、進藤龍也、矢崎閑也、岩崎元太、岩倉海斗 より
とのことです。私からは以上です。」
皆…俺の為に、そこまでしてくれるなんて…良い仲間を持ったな~笑 やっぱり、この7人なら何も怖く無いわ笑 まだ俺の人生は終わってない。だから、俺は何度でもリトライする。必ず、この7人で。ー
ー あの後、俺たちは全員自首をして、罪が重い人から順番に刑務所に入っていった。そして、陀威矢が刑務所に入ってからちょうど5年経った今日、俺が刑務所に入る。俺が刑務所に入れば、5年ぶりに7人全員が揃う。先のことなんて、今はどうでもいい。皆とまた、ずっとくだらない話をして、お腹痛くなるまで笑って、本音ぶつけ合って、時には一緒に泣いたりしながら、一緒に同じ時間を過ごせるなら、俺はそれでいい。それが俺の幸せなんだって、この5年間で痛い程感じていたから。ー
ー 「クラ!!!!」
「陀威矢!!」
「クラーー!!やっと逢えた!!マジで嬉しい!!」
「元太…俺も元太に逢えて嬉しい!!」
「元太うるせぇよ。」
「海人!!」
「クラ来るの遅すぎるだろ笑 もう待ちくたびれたわ笑」
「閑也!!」
「クラ、やっと逢えたね!」
「龍也!!」
「これでまた7人になれたね。」
「チカ!!」
「皆元気そうでよかった!!!!」
「クラも元気そうでよかった!!」
「コイツマジで大変だったんだからね?
クラと離れたくないーって。まぁ、陀威矢がいなくなったあともしばらくおもちゃ買ってもらえなくて拗ねてる子供みたいになってたけどね笑」
「海人もしょっちゅう泣いてたじゃん。
俺はやっぱり7人で一緒にいたいーって。
俺海人がチカに慰められてるところ何回も見たんですけど。」
「お前いっつも一言余計なんだよ。」
「この2人変わってないでしょ?笑
まぁ、皆あの頃のままなんだけどね笑」
「そうだね!笑」
「やっと7人揃ったし、今日はパーティーだな!!笑」
「良いね!! やっちゃおやっちゃお!!!!」
「それじゃあ…この7人で、これからもずっと一緒にいても良いですか!?」
『賛成!!!!!!!』 ー
ー 「はぁ~…此処とも今日でお別れか…寂しいな~…」
「陀威矢結構いたもんね笑」
「此処もはや俺の家だったわ笑」
「あの家ってまだ残ってんの?」
「あ~、確か俺の元執事が管理してくれてると思う。7人で一緒にいるならやっぱり彼処しか無いかな~って思って!笑」
「流石陀威矢!!マジで神。マジでありがとう!!」
「今日も帰ったらパーティーだな~笑」
「お前はパーティー好きすぎだろ笑笑」
「刑務所生活、長いようで短かったな~」
「意外とあっという間だったよね。」
「マジでそれな!クラとかほぼいなかったもんね笑」
「いやいたわ笑」
「皆、着いたよ!!」
「えっ全然変わってないじゃん!!!!」
「なっつ。」
「うわぁ~やっば。泣きそう…笑」
「龍也は相変わらず泣き虫だな笑」
「いや泣き虫じゃねぇよ!!」
「ヤバ…やっぱ俺たちにはここしかないよなー。え、クラ泣いてる!?笑」
「泣いてねぇよ!ただ、懐かしいなって思っただけだもん…」
「いやめっちゃ泣いてんじゃん笑
とりあえずこれで涙拭け。」
「ありがとう…」
「それじゃあ、皆で言おっか。」
「せーのっ」
『ただいまーー!!!!!!!』
俺たちの物語は、まだまだ続く。俺たちはいつまでも、この7人で走り続ける。
Fin
Bad Days!~Good Memory~ @shirasu_kawahara
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