第20話 異世界のメイド面食らう、そして終章
翌朝
「おはようございます、サマンサさま」
「おはよう」
「洗顔はこちらへ、タオルをご用意しました」
「ありがと!」
って、もうサマンサじゃないのよ!と言ったところで解らんよなぁ。
でも二人ともメイド服のまま、寝てたんだろうか?
「はい、そのまま寝ておりました」
「お食事のご用意は如何しましょうか」
「あっ、いやそれはいいの。リラックスしてていいよ」
「と言われましても、メイドとしてのお仕事を・・・」
そうだよねぇメイドのお仕事をしたいんだよな、二人とも。
今何時かな?9時半か。
今日は休みにして、街中を案内してみようかな。
「二人とも今日は、私につき合ってくれる?」
「もちろんですご主人様」ご主人はいいからw
うーんメイド服のままで外出るのは、ちょっとアレかな?
とりあえず着るもの買いに行くか。
やっぱり異世界とは勝手が違うんだな、あっちこっち見回してるけどね。
「サマンサさま、この街はいつもこのように賑わっているのですか?」
「そうよ、いつものことなのよ」
「歩いている人たちは、みんな貴族か王族の方々ですか?」
「いいえ一般の人たちよ」
「一般の人たちが、こんなお綺麗な服を着ているのですか?」
「そうなんだけど」
いつものお店にはいると。
「おや小崎先生お久しぶりです。事件に巻き込まれて大変でしたね」
「そうね、いろいろあったよね」
このブティックは私のお気に入り。女主人は私より一回り年上だけど好みを理解して
似合う服を選んでくれるので助かっている。
「今日はこの二人に似合う服を選んでほしいの」
「解りました。が、こちらは外国の方ですか?」
「そうよ、海外研修に行った時の知り合い。日本へ遊びに来るって言うんでね」
「なるほど、なかなかスタイルの良い方ですね、それに美人さんだし選び甲斐が
あります」
「じゃあ、よろしくね、隣のカフェに居るから」
「わかりました」
しばらくするとスマホに連絡があって店に戻ると・・・
いやぁメイド服とはまったく別人の二人がいるわけだ。
「こういう服を着るのは初めてなので」
「この国ではこういう服を着るのですか?」
どっからどうみても丸の内OLよな、特にエマは。私の秘書にしてもおかしくない。
ロレーヌは女子大生って感じにしか見えないけど、これはモテるなw
「じゃあ行きましょう」
「どちらへ?」
「しばらくは、この国で生活することになるから、
そのために知っておいてほしいこととか買い物とかを覚えておいてほしいの」
「わかりました、サマンサさまのメイドとして頑張ります」
「わたしも」
もう、メイドじゃなくていいんだけどねぇ、しばらくは難しいかな・・・
近くのスーパーマーケットとか役所とか回って、面食らうことばかりの二人。
でも楽し気にしていたから、それでよかったのかな。
「では食事の用意をいたします」
「メイドは食事の支度は本来しないのですが、私は料理人の経験があるので
サマンサさまのために食事を作って差し上げます」
台所からいい香りがしてんのよねぇ。私自身料理しないから助かるわ。
ロレーヌが出来上がった料理を運んでくるの「お食事の用意が出来ました!」
「じゃあ皆で食べましょう」
「いえ、メイドはご主人様とご一緒の食事は出来ないことになっています」
「いいの、ここはあの国とは違うのよ。一緒に食べても問題ないわ」
「でも・・・」顔を見合わせる二人。
「大丈夫、だれも見ていませんから」
「そうですか、では僭越ではありますが、ご一緒させていただきます」
「じゃあ二人は、この部屋を使って」
「いいのですか?」
「一人づつ用意したから、自由に使っていいよ」
「でも・・・」
「いいの、こっちはエマ、となりはロレーヌが使ってね」
「ありがとうございます、サマンサさま」
とりあえず現世に戻ることが出来たエリート女子。
異世界から飛んできた二人のメイドと生活することになりましたとさ。
「あいつら上手くやってるかな・・・」
完結
悪役令嬢に転生したエリート女子が無双する話 利根川藤代 @83012086
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