タグには「SF」。題名には「宇宙船」。科学そのもの。しかし宇宙というものは夢を抱かないと行くまでの試練を乗り越えられません。宇宙飛行士に仕事だからと淡々と語る人はいませんよね?評者は本作にファンタジーを感じます。夢にたどり着いたらどうなるか? 次の夢が待っているものなんです。欲深い? それでもいい! 夢も欲もひっくるめて、人類は宇宙に出るまでに至ったのですから。本作が見せてくれるものは科学ではありません。人の原動力です。
人類の夢を乗せて、アポロ11号は月面着陸を成功させました。それから80年もの時を越えて、日本企業が立ち上げた日本人による月面着陸企画が実を結ぼうとしていました。鮮明に描かれた宇宙や月の光景は、自分が実際に搭乗員として見ているかのような感覚を味わえます。未知の世界を歩く高揚感もしかり。もしかしたら現実にもこんな世界が広がっているかもしれないと、今宵の月に思いをめぐらせませんか?