第47話 ファンタジー上位格との戦い
ワイバーンとの戦闘はやつの突進から始まった
鈍重そうな見た目とは裏腹に素早い突進を避け斬りつけようとする
「シッ!」
気合いと共に放った斬撃は呆気なく鱗に弾かれる…
「固った!硬度おかしいだろ!他のモンスターを簡単に斬り裂けるくらいの性能はあるんだぞ!」
こちらの叫びも虚しく今度は鋭く尻尾を振るってくるのをスライディングして回避しやつの背中に
「う〜ん、これぞファンタジー上位格、鱗が硬いって話は以外と多いがここまで硬いってマジ?」
何度か攻撃して渾身の一撃でようやく目で見て分かるくらい削れるか?と言った具合だ
「これじゃ倒せても限りなく時間がかかるな…」
なんて思ってるとヤツの口元がキラリと光った。途端『危機察知』に強い反応
「ヤバっ!」
ゴウッ!
即座に直線上から飛び退くがその光景に少し圧倒された。
口から火を吹き出しただけ、いわゆるブレス、竜の特権的魔法にして暴力の化身の様な技。
口から火をちらつかせている時から予想はしていたが…
「こりゃ直撃したら丸焼けだな…いや、骨が残れば良い方か?」
ヤツの直線上全てが燃え尽きていた…
岩や茂み、残りのモンスター等も全てだ。
これを一個体が行ったと言う事実は普通の人ならこれだけで心が折れそうなレベルだが…
「だからって止まる訳には行かねぇよなぁ!」
ワイバーンはこの後の階層でも出てくる可能性は非常に高い…ならば!ここでその鱗を攻略しておく事は今後の大きな財産になる!
「少しでも薄い所を探るか…」
まずは足元…硬い、むしろその巨体が地面と接する部分だからか胴体や頭よりも硬い気がする。
「内側の腹らへんはどうだ?」
少し空間があったので突進に合わせて股下をくぐる形で斬りつけてみたところ、確かに他部位よりは斬りやすいものの尻尾で貫かれそうになった。
「うへぇ…あの尻尾の範囲広すぎだろ!頭まで範囲内なんじゃないか?でも逆に言えば尻尾さえ落とせれば弱い腹を狙えると言う事か!ならやってみる価値はあるか?」
背後をとりながら接近し尻尾の薙ぎ払いをバックステップで回避した後振り切られた尻尾に夜叉を振り下ろす
「魔戦刀術参の刃『怨嗟刃』!」
振り下ろした刃は鱗を斬り裂き内部に火傷を残すも切断までは至れなかった
「ギャァァァ!!?!?!」
しかしこの戦いにおいて初めての明確にダメージと言えるダメージにヤツは苦しみの声を上げる…むしろ皮を少し焼いただけどは思えない程オーバーな反応だ。
「鱗に覆われた人生を送ってきたから痛みに敏感なのかい?俺は色々やられ過ぎて多少のダメージは無視できる様になったぜ、魔戦刀術壱の刃『爆閃』ッ!」
そのまま付けた傷跡に追撃を入れる。そして今回の戦いで初めてワイバーンの皮まで斬り裂き血を出させることに成功したのだ!
「ギャァアァァ"ァ"!!!」
爆破と斬撃により抉れた尻尾の痛みで絶叫を上げるワイバーン、しかしメリットだけでは無く、ヤツが尻尾の傷跡を見せない様に立ち回り始めたのでこれ以上の追撃が難しくなってしまった…
「あ、そう言えばワイバーンにも『逆鱗』はあるのか?あるなら明確な弱点かもしれねぇ!」
背後に回っていた先程までとは打って変わって真正面からやり合う。
「おっ、あれかな?」
ブレスを避けた時にちょうど首元らへんに一つだけ雫型ではない菱形の鱗を見つける
「鱗一枚一枚が割とデカ目で助かったな、では遠慮無く」
ヤツの喰らい付きを下に回避してそのまま飛び上がる様に逆鱗を夜叉で突く、すると他の鱗とは違いズブリと鈍い音を立てながら夜叉が吸い込まれていった…
「ギャッ!?!ギャァァ"ァ"ァ"ッ‼︎‼︎」
いきなりワイバーンがのたうちながら暴れ出す。その余りの勢いに夜叉を逆鱗に突き刺したまま吹き飛ばされてしまった…
「おいおい、逆鱗エグすぎだろ…ブチギレモードじゃん」
体制を立て直してヤツを見据えるとそこには喉に夜叉が突き刺さった状態で目が血走り口からは涎と火炎が溢れた明らかに正気ではない姿のワイバーンがいるのであった…
〜〜〜〜あとがき〜〜〜〜
ハッピーニューイヤー!!!
2025年になりましたね!
ワイバーン(特殊個体)との戦いも次か次の次くらいで終わります。
今年も週一目指して張り切って行きますので今作をよろしくお願いします!
あとダンジョンギミックに魔物、特殊個体のアイデア等あればコメントで教えていただけると幸いです!(ちょっと一人で考えてると似たり寄ったりになりそうなので…)
次の更新予定
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オタクで戦闘狂な俺が最高難易度ダンジョンをクリアするまで… 鈴ケ谷 慎吾 @px666
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