第46話 万の怪物を斬り捨てて
あれからどれくらいの時が流れただろうか…
目の前に現れる魔物を夜叉で斬り裂き魔法で貫きただひたすらに殲滅していくが、一向に減る気配がない
「かれこれ4桁に突入しそうなくらいは倒した筈なんだがなぁ…魔石を踏みつけて吸収するにしても限度があるってのに…」
『気配察知』を普段よりも広げて使用してみるといきなり大量に魔物の気配が増えるのを察知できた
「うげぇ…こりゃこの
現在この気配の主は下への階段があると思わしき場所で出現してから移動していないのは『気配察知』で確認済みだ。マジで万能、持ってて良かった『気配察知』
「さて、ここから数多の魔物の群れを切り抜けてどうやって向かうかなぁ…」
魔法でスライムを貫きながら考える
「とりあえず魔法で殲滅しながら行くか!」
ちょうど手に入れた土属性魔法の練度上げにも良いだろうしね!
「喰らいな、
手元に石弾を生み出し次々と脳天に当てていく、最初の方こそ石のイメージに引っ張られて球状だったが実弾と同じ様に円錐形にした方が効率が良いと気づいてからはそっちに形状を変えた。
「あとは何すっかな…あ!これとか良いかも?」
火属性魔法に土属性魔法を重ねる
「火土複合『
洞窟の天井というペナルティがなくなって自由に動き回っていたクソ蜘蛛の脳天に当たったそれは激しい音を立てて爆発した。
「ふむ、魔力爆破との使い分けを考えていたが、純粋にこっちの方が火力が高めなのと延焼ダメージが期待できる…か。これなら開発を重ねる意味がありそうだなって、お前俺が一人考えてるのに突っ込んでくるとか空気読めよ!火聖複合『聖焔衝波』ッ!」
突っ込んできたオーガの腹に掌底の様に手を添えながら魔法を発動する。
衝撃波の様に伸びた白い炎は直線上にいた他の魔物をも仕留める火力になっていた。
「続けて土聖複合『白槍』」
聖属性を帯びた槍がゴーレムのタコを貫き飛んでいく
「更に魔戦刀術参の刃『怨嗟刃』
迫るスケルトン5体の間をすり抜けながら呪いの炎を帯びた刃で焼き尽くしていく
「ゾンビか!初めましてだな!てか臭ぇ!聖属性魔法『聖炎』」
一部隊分はありそうなゾンビ共を纏めて聖なる炎で焼き尽くす。
「しっかしこれでようやく75%くらいか…大技を撃ってみるか」
即座に極限の集中状態に入り目を閉じる。
自身の今持てる最大範囲の攻撃とは何か?
やはり夜叉による抜刀こそ究極のロマンにして高火力なのではないか?
ならばこの魔物の群れを一刀で斬り伏せてくれよう。
夜叉を納刀し目を開く
周囲から魔物の爪が、牙が、あらゆる部位が命を狙いにくるがもう遅い
「魔戦刀術秘奥ノ壱ッ!『赫焔呪刀』ッ!」
抜刀と同時に鞘から溢れ出てくるのはかつての『魔刀 煉獄』が甘ったるく見える様な濃密な呪焔、迫る全ての攻撃を衝撃波だけで跳ね飛ばし周囲の生あるものを根こそぎ奪い去る…
「アッハッハッハ!ここまできたら笑うしかねぇな!見渡す限り魔石しか落ちてねぇ!」
だがそのおかげでようやく見えた
技の影響によりかつて草原だったと言っても誰も信じない様な荒地の上でやつは立っていた。
四足歩行の肉体、しなやかながらも確かな力強さを感じさせる尻尾、凶悪に並んだ牙に、触れたら即座に切れてしまいそうな爪、そして何よりもどこまでも飛べそうな強大な翼とさも強靭そうな赤い鱗で覆われた体が君臨していた…
その姿はいわゆるワイバーンに近いものであったが違う。その翼を持ってしても飛べなそうな程に巨大、口からは時折り炎をちらつかせ腹が少々不恰好なまでに膨れている。
恐らくは特殊個体であろうそのモンスターを前にして俺の心はかつてないほどに興奮していた。
「お前を殺せば俺もドラゴンスレイヤーか?やってやるよ蜥蜴野郎!」
「グルルッ!グラァ"!」
意思疎通こそ取れないものの舐めている事だけは伝わったであろう蜥蜴が苛立った声を上げて襲いかかってくる。
こうしてこの連戦の最後の幕が上がった…
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