推しは推せる時に推せ

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私の仲間であったはずのファンはもう前を向き始めている。

美樹だって、今まで推しに使っていたお金を投資に回すとか言ってその勉強を始めている。

世の中の興味が推しから離れている。

もしかしたら、もともと推しはちっぽけな存在だったのかも。

推しがいなかったことになるかもしれない。

そうなったら、私の今まではただの空白になる。

私にとって推しは全てだったから。

そうじゃなくても、推しは過去になってみんなに置いていかれてしまうかもしれない。推しは歴史上の人物みたいになってしまうのかも、と思う。

3人が夢を叶えた時、そこに彼はもういないのかもしれない。

そんな時ラジオでリーダーが言った。

「今までのことを過去にするつもりはない」と。

そのしっかりとした口ぶりから、3人とも、少なくともリーダーは、納得がいっていないこと、私と同じ思いだということがわかった。

この3人なら、推しとずっと一緒にいてくれるんじゃないか。そんな気がした。

最近は他の方のSNSを見るようになった。

私と同じ様に推しを擁護する考えの人もいたけど、そうじゃない人もいて。

そういう投稿の中にもたくさんの考え方があった。

その中の多くのものが的を得ていて、何も反論することができなかった。

全部、ただ飲み込むことしかできなかった。

できることなら、全部全部反論したい。

私の推しはそんなことするはずがない。

「全部、架空の世界の話なんだ」と。

でもそれはれっきとした事実。

それがとてつもなく悔しい。全て嘘で塗り替えたい。

私と同じ考え方の人の中にも色々な人がいた。

3人を応援する人、推しが戻ってくるまで応援できない人、とにかく真実を知りたい人。

私の推し以外にも推しがいて、その人達に救われた人もいる。

そりゃあね、推しがいるんだから救われるよなぁと、羨ましくなる。

でも、私にとって推しは1人、あの人だけだったから。

その頃にはもう、一周回って涙は出なくなっていた。

代わりに3人になったYouTubeを遠巻きに見ていたら、怒りが湧いてきた。

なんてことしてくれたんだよ。

皆んなの夢までもう少しだったんじゃないのかよ。

ここまでファンの人とメンバーとで頑張ってきたじゃん。

なんで、メンバーにこんな顔させてんの。

悔しくなった。呆れた。行き場のない怒りが脳を支配した。

もし、推しにただのファンである私の声が届くのなら。

大好きだったよ。

ステージの上で輝いて、一生懸命にファンサをする姿を見て、この人は天性のアイドルになんだなぁって、結構本気で思ってたんだよ？

何事にも精一杯で、可愛くて、かっこいい。

そんなあなたのことがわたしも大好きだった。

今までのこの時間。

今の私にはどんな価値があったのかわからないけど、間違いなく幸せだった。

ふざけんなよ！

これからも大好きって言い続けたかったのに。

まだまだ夢を見せ続けさせて欲しかったのに。

ごめんね。

私は優しくないから、あなたが幸せに過ごしてますようにって願うことなんて出来ない。

でも。

あなたのおけげで幸せだった。

あなたのおかげで世界が少し広くなった。

ありがとう。

だけど、やっぱり最後に言わせて。

何やってんだよ。ばーーーーか。