3
あの日から1週間がたった。
公式から出た3人からファンへのお知らせ動画も見た。
3人しかいない、その感じはなにか物足りない。
ショートケーキに苺がのっていないような。
見た目としての違和感があった。
動揺をしているらしく、何を言っているのか分かりにくいリーダー。
あくまで冷静に、でも色々な感情が混ざっているグループNo.1のお調子者。
顔色が悪く、明らかに怒りを感じている推しのシンメ。
(シンメ…立ち位置などで対称に位置する人)
そこに私の大好きな人は居なかった。
ただただ悲しかった。
それから、推しのシンメの言葉。
「僕たちはファンの皆様と一緒にこれまで、誠心誠意に活動してきました」
その子は全然悪くないのに、私の推しは違ったの?と八つ当たりしたくなった。
他の2人も口々に謝った。
あなたたちが謝ることじゃないのに、と申し訳なくなった。
このグループは私が推してるグループなだけあって、それぞれ自分の色があって好きだった。
自分の色を自分でつけられる推しが自分で自分の道を閉ざしてしまうほどのことをしてしまったことがいまだに信じられない。
私の推しが何をしたのか。知りたい。けど、知りたくない。
それを知ってしまうと、嫌いになってしまいそうだから、
このまま綺麗な思い出のままでいたい。
そのためには真実を知らされないことが1番いいのかもしれない。
何も知らずにただただ時間が過ぎていくのは悔しいけど、知らないで良かったのかも。
3人でのYouTubeが少しずつあがり、3人のブログが更新され、前を向き始めたファンの仲間がいる。
そんな中、私はまだあの日に取り残されている。
でも、美樹のおかげで、ようやく普通の生活が出来るようになった。
今までみたいにYouTubeを見れるようになった。
でも、やっぱり違う、あの人がいない。
そんな3人の動画を見ては、推しがいたら、推しがいれば、と考える。
「たられば」ばかりだ。
推しの「たられば」が頭の中で綺麗に再生される。
そこにいる推しは鮮明に私に目に写っている。
私の大好きなグループから推しがいなくなったことが悲しい。
だとしても、私はこれからの3人を死ぬ気で応援する。
私の大好きな推しがいたってことを絶対忘れない。
思い出にだってしたくない。
それでずっとずっとスーパーアイドルでいてほしい。
推しがいなくなったから、このグループは弱くなったとか言わせない。
推しのせいになるのも悔しいし、3人が不十分だって思われるのが嫌。
推しのことを投稿する度にすごい数の反応があったのに、その数も今も確実に減っている。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます