三話:怪異の力と学校
私は、竜次さんの家で住むことになった。日曜日、竜爺(竜次さん)に昨日よりも怪異について、詳しいことを教えてもらうことにした。どうやら、怪異の能力にも種類があるらしく、『
「きさらぎ?えっと……如月…とか?」
そういって莉音さんは鬼と書かれた紙を見せてきた。
「おにとか、きとか?」
「………なるほど」
正直そんなに分かってないけど分かった風に言う。
そう言われ莉音さんと一緒に家を出る。人気のない路地裏に入ると急に莉音さんが振り返った。
「え?今ですか!?」
「えーと……きさらぎ駅!」
………。何も起きない…。え?何で何も起きないの?
「………じゃあ」
「呑み込め『きさらぎ駅』」
そう言うと、家にいた時にイザナミの前で起きたように空間が変わった。夜の森にポツンと駅がある。
「攻撃…!?」
「……分かり……ました…。」
攻撃をする…そう覚悟を持つと、頭に文字が浮かんできた。『
「えっと……いきますよ?」
すぅーと息を吸って、「操車」と言った。その瞬間、莉音さんまで線路が引かれた。そして……莉音さんに電車が走っていった。
「あっ!!」
当たった、と思ったが、莉音さんは電車が当たる寸前、右に飛んで避けた。
「良かった……。!!」
避けたので怪我は無いと思っていたが、莉音さんは右腕が千切れていた。
「うっ!」
莉音さんを…みれない……。グロすぎる…。吐き気が……!
「え?」
莉音さんの方を見てみると……腕が元に戻っている。
「…なるほど」
腕を再生させた…ということかな?
「他には…二つ程」
「…分かりました。………『亡者の手』!」
すると黒い人間の手のようなものが、地から出てきた。それは、莉音さんの腕や脚、身体を掴んだ。少し莉音さんがピクッと動いた。くすぐったいのかな?
「…『亡者の嘆き』」
動きを封じている状態でもう一つの力を使った。
『亡者の嘆き』を使うと、莉音さんが苦しみだした。
「わ、分かりました!」
そうして二つの力を止めると、莉音さんが能力の予想を解説し始めた。
「なるほど……。」
そうすると、『亡者の嘆き』は危険かな。
「はい!」
家に帰って直ぐ、汗を落とすためにお風呂に入った。もう20時だったので夕食を直ぐ食べ、明日の高校の準備をして眠りについた。
翌朝、朝食を食べ荷物を持って、「行ってきます!」と大声で言った。今日は入学式と連絡だけなので早く帰れる予定だ。10分くらい歩いていると、学校についた。クラスを見て教室に荷物を置いた後、体育館に行った。少し長めの話を聞いて、教室に戻ってじぶんの席に座ると、横の方から「ねぇ!」という元気な声が聞こえた。誰かと話してるのかな?
身体を揺さぶられた。え?
「……私?」
驚きながら隣を見ると、肩にかかるくらいの蒼くて綺麗な髪を、後ろで1つに束ねている女の子がいた。
「…えと……誰?」
「……私は…」
………中学まで、私は神代の姓を名乗っていた、が2人が死んでしまった今、神代か元の姓を名乗るか迷った。悩んだ結果私は……
「私は、鬼咲夜鈴」
「…それで…何か用?」
君の髪色も珍しい気がするけど。
「それだけ?」
そう言うとその子、天神さんは走って違う子の所へ行った。……変な子だったな。
それから、少しして学校初日は終わった。家に帰ると莉音さんがいて、また特訓することになった。今日は竜爺も加わり、一緒に訓練に付き合ってくれた。それが終わってお風呂に入ってご飯を食べて、寝る。起きてまた学校に行って、帰る。そんな日々を続けて1年経った。
1年が経つのは速く、少し驚いていた。私の実力は、少しずつだけど上がっていった。…異能だけでなく身体能力も上がった。理由は竜爺……じゃなく、莉音さんが鍛えてくれた。莉音さん……小さくて可愛いのに…以外と強くて…。莉音さん曰く、
とのこと。最初に聞いた瞬間どんな生活送ってたんだって…思った。まぁ、だから私もある程度強くなった…と思う。学校は…まぁ、何もなかったんだけど……無事に進級はできて高2になった。うちの高校、クラス替えがなくて、何も変わらなかったけど。今は6月、少し暑くなってきた。学校から帰ると、急に竜爺に呼ばれた。そして、こんなことを言われた。
そんな、一言を。
______________________
今回は説明を最初にいれたんですが、長々となりすみません!この説明は、この先の話では知っている前提で作るので、長い!と思っても出来るだけ読んでいただければ幸いです!
では!
怪異の力で生きる道 牧葉 @kisakiyosuzu
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。怪異の力で生きる道の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます