第2話 とりあえずテレビの俳優の歴代彼女を覗いてみた

婚活お節介オバサンロボ、通称節子は、

私に

「とりあえずイケメン俳優を見てみたら?」

だったら……


と、

とりあえず、28歳の私からしたらどうでもいい俳優の過去を見ることにした


元アイドルユニットのメンバーを指定した。

気になるといえば気になるし、

別にどうでもいいといえば、どうでもいい存在。

という微妙な存在だったし、

とりあえず見ちゃえという気分になった。


-----視聴-----


その元アイドル俳優の過去を要約した映像を見た。

しかも、そのドラマとかテレビではなく、

外での様子だけ映った様子だった。


節子にカエデは、

「こんな生々しい映像も見るの?」

「男の人って、普段からこんなことを考えてるの?」

と言った。


節子は、

「男なんてどこのどいつもこんなものよ。

自慰行為なんて少なくとも週に1回、多ければ日に2回はしているわ。

まぁ、でも性行為に恵まれている男性は別ね。」


「えーーー。なんか夢が壊れちゃう。」


「これが男の現実よ。ちなみに思っていることも覗けるのよ。

過去のことでも、指定した男性が当時何を思っていたのかも覗けるの。

誰でもよ。ターゲットの男性だけじゃなくてね。いつでも誰でも覗けるの。

これは法律はまだできていないし、言っておくけど違法ではないわ」


「違法じゃなくても、人間としてちょっと道徳的に…」

「道徳という言葉は労働者のためにある言葉、

経営者は法律と企業のルールに反していなければ、

消費者を裏切らなければ何をしてもいいの。」


「ふーん。ってこれ、本当に誰でも覗けるのね。

まさか、一般女性にいきなりバックで多いかぶるなんて。

普通は前戯をしてから正常位じゃないの?

いきなりなんて」


節子は

「ふんふんふーん。テレビの前じゃ明るく気取ってるけどね。

テレビに出てくる男女なんて欲望の塊なんだから、

8割はこういうタイプよ。みんな裏ではお盛んなんだから。」


「週刊誌も芸能事務所も芸能人の頭の中をこの機械を通じて毎日チェックしているわ。ニーチェの「深淵をのぞく時深淵もまたこちらを見ている。』って言葉があるけど、深淵というのは実は1個じゃないのかもしれない。自分の後ろにも闇が広がっていて、覗いている相手からも覗かれていると思われつつ、

実は他の誰かにもあなたのことが見られているのかも?」


カエデは

「じゃあ、私も?」

と尋ねると

「そうね。あなたを指定した人がいれば、あなたのことが丸わかりね。あなたのことが気になっている人がいればの話だけれど。」

「じゃあ、通行人でイケメンの人がいたらあの人こっち見ないかなぁと思って、

髪をかきあげてるのとかもバレちゃうってこと?」

「それぐらいあたり前田のクラッカーよ。おほほほほ。」

節子はあまりにも古いギャグを披露する。

「あなた、何歳?」

「年齢不詳ってことでお願いします。」


かくして、芸能人出演のAVを見た最初の1日だった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

相手の歴代の好きな人を知ってしまって…… メグルハ @meguruha

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る