相手の歴代の好きな人を知ってしまって……
メグルハ
第1話 記憶シェアリングの機械の贈与
私、颯田(そうだ)カエデ。どこにでもいる雰囲気ゆるふわOL。
毎日、職場と自宅を往復し、
休みの日には推し活にふけるアラサー女子でもあるんだ。
ある日通りすがりのぉ
とあるロボットから記憶シェアリングの機械を贈与されたんだ。
駅の出口を抜けるとね、
私に向かって婚活型ロボットがやってきたんだよ。
「あなたは今までに人を好きになったことがありますか?」
「ありますけど……。急に何なんですか?」
「申し訳ありません。ワタクシは政府から派遣された婚活お節介おばさん型ロボットです。あなたが結婚するまで、ワタクシが何かとサポートすることになりました。」
「私は私で楽しんでるし、別に結婚は急いでないから。」
「結婚急いでないといっても、25歳の壁と30歳の壁と35歳の壁と40歳の壁が存在していて、25歳前と40歳後では男の対応は天と地の差で変わってくるんですわよ。たった15年なのに。あなたが25歳のときに生まれた子は40歳ではまだ15歳だっていうのにね。」
「まだ、28歳だし。。。大丈夫じゃないかなぁ。」
「30歳なんてあっという間に来ます。35歳にもすぐなります。40歳にも一瞬でなります。あなたはそれでも結婚する覚悟があるんでしょうか?」
うーん。。。と思って考えてみた。
今まで結婚したいとは思ってはいたけれど、
高校時代になんとなーく付き合った人がいるだけでー、
今まで勉強と仕事を中心に生きてきただけで、
結婚のことをちゃんと考えたことはあんまり無かったかもしれないなー。。。
「そこで、秘密兵器があるのです。。。」
「秘密兵器ってなに?」
「古代ムー大陸から伝わる古の秘宝。ムーテレビをあなたに差し上げます。これはあなたが指定する任意の人間の記憶をご高覧することができる優れものですわよ。」
「ほぉー。なるほど」
なるほどと言ったけど、
どういうものなんだろう……。
「自宅にお帰りでしょ?ムーテレビを家に取り付けましょう。」
「なんで、私が帰るって知ってるの?」
「カエデの行動パターンは把握済み。平日は家と自宅と給餌所との往復しかしない。給餌所はバラエティがあるようで、実は少ない。夕食はほぼ格安スーパーで買った商品を家で食べて、寝るまで好きなアニメ・ドラマ・漫画を読んで暮らすだけだ。」
「そうだけど、、、」
「さっ、晩御飯を買って帰ろう。」
半ば強引に私はこの政府から派遣されたお節介おばさん型ロボットと一緒に買い物し、私は部屋に戻った。
「じゃあ、ここに持ってきたムーテレビを設置するね。」
よいしょっとかなり強引にムーテレビをプライベート空間に設置する。
「ターゲットと年月日時分秒やその関係者と行為について入力すれば、ムーAIが紐づけてまとめてくれてるから、いつでも見ることができるよ。」
「たとえば、有名人のデートシーンやエッチなシーンも見放題。」
「そんなのは興味無いけど、一般人の過去も見れるの?」
「造作もないよ。あたりきしゃりきのこんこんちきよ。」
「えぇー。じゃあ、その人が今何してるかも、ライブストリームで見れる訳?」
「いえーす。おふこーす。当然です。」
一体、誰の今を見ようか?
迷うなぁ。。。
「とりあえず、一晩待って。」
「とりあえず一晩とか言うからいつの間にか28歳になってる訳だよ。」
うーん。
でも、今日は一晩寝るか?
と黙ってベッドで眠ることにした。
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