日光とにんにくと十字架は大丈夫なの?

「ねえ、ペペロンチーノ頼んで良い?」

「ああ。」

 昼のファミレス。有栖はメニューの安さに感動しており、質問の意図に一瞬気が付かなかった。

「匂いが気になるのか?」

「違うよ。ほら、よくあるでしょ。」

 合点がいく。思わず笑ってしまった。

「璃杏が思ったようにはならない。にんにくは好き嫌い。吸血鬼は神ではなく人間に近しい、十字架を見たところでどうにもならん。」

 日光で灰になっていれば、ここに来るまでに消えていただろう。

「折角連れてきてくれたんだ。好きなものを頼みなさい。」

 ファミレスに人生初挑戦の有栖はドリア、璃杏はペペロンチーノで注文した。

「ほらほら、ドリンクバー行かないと。」

「連れて行ってくれ。」

 人生、まだ退屈しなそうだ。

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人間の女の子は吸血鬼に噛まれてしまったSS @onigirimann

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