第72話 佐伯鷹臣 12
〈伽藍の悪魔について〉
一、伽藍の悪魔の毒性の影響段階
・第一、伽藍の悪魔を認識することは出来ないが、一方的に監視され、欲を刺激される。
・第二、伽藍の悪魔を認識することは出来ないが、更に欲を刺激される。
・第三、稀に伽藍の悪魔を認識する者も現れ始める段階で、欲を満たすことが行動の根幹となり始める。
・第四、伽藍の悪魔をはっきりと認識し、欲を満たすことだけしか考えられなくなる。
・第五、伽藍の悪魔の傀儡となる。
二、伽藍の悪魔と約束を交わすことで感染し、第三保菌者となる。また伽藍の悪魔は約束を交わした人数によって毒性が上がる。※伽藍の悪魔に魅入られることで第一保菌者となる。
三、第二段階以上の保菌者と身体接触することで感染し、第一保菌者となる。また保菌者と性交渉した場合は感染力が強く、保菌者の一段階下の保菌者となる。※例、第三保菌者と性交渉した場合、第二保菌者となる。
四、伽藍の悪魔との約束を破ることで、感染段階が一段階上がる。※
五、おそらく発生源である
六、伽藍の悪魔の毒性が一定まで上がることで、いずれ空気感染で感染段階を上げられるようになることが示唆されている。※毒性が上がることで、欲を刺激する力も徐々に強まっている。
七、伽藍の悪魔に感染したまま死亡した者は、成仏できずに怨霊となって現世に留まる。
ファイル内に書かれた文章に一通り目を通した
「空っぽの私たちの作中、
「やっぱり毒性が強くなってるってことよね……? 作中にも書かれていたけれど、
「僕が欲に負けたのは、毒性が強くなったことに加え、第三保菌者になったことも影響しているのでしょうね」
「……今更なんだけど、どうして
「前に言いませんでしたか?」
「祖父に守られてるって話?」
「そうです。僕は生まれた時から呪われていた。その呪い……穢れを払ってくれたのが祖父ですね。この眼鏡は祖父の遺品なんです」
そう言って
「ああ、ありました。
「ええ。でも忙しくてまだ読んでいなかったわ」
「これが【知りたがりの丸眼鏡】の原文です」と、
「出版されたものは登場人物や地名、様々な部分を変えて特定出来ないようにしてありますが、これは起きたことをそのまま書き起こした文章です。どうやら
「いいの?」
「ええ。これを読めば僕の呪われた経緯なども分かりますからね。時間がある時にでも読んでください」
そう言って
─────作者より皆さまへ─────
以下に
【忌女の纒はる穢れ森】
https://kakuyomu.jp/works/16817330668037678463
【人鬼の住まふ咎の里】
https://kakuyomu.jp/works/16817330668855780837
【夜刀の待ち侘ぶ禍つ家】
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