第2話

『しかし今回は何事もなく終わりそうだな』

『コモヒメ最後の最後に必ずと言っていいほど怪我するもんなぁ』


「よーし、中層行くよー」


『ねぇ、マジで行くの?』

『昨日結構危なかったけど大丈夫?』

『おい!俺たちのコモヒメを信じないでどうする!』

『まぁ、それもそうか』

『頑張れコモヒメー!ᕦ(ò_óˇ)ᕤ』


「さーてここは中層の15階かな?」


『多分あってる』


「おっ、ありがとー」


『ねぇ、なんか聞こえない?』

『え?』

『あ、ほんとだなんかズシンズシンって……』


「えっ?」


ズシンズシンズシンズズン

ドガアン!!!


「グウオォオオォオオオオ!!」


「えっ………?」


『はぁ?!単眼鬼サイクロプス?!』

『いくらここが中層だからってここまだ浅いだろ?!なんでがここにいるんだよ!』


ダンジョン内のモンスターはダンジョンのランクが上がるほど強い傾向があり、CランクダンジョンのスライムがEランクでEランクのダンジョンのスライムがFランクだったりする。ダンジョンの階層構成は基本的に《初層》→《浅層》→《中層》→《深層》→《終層》→《深淵》が確認されており、それぞれの階層に存在しているモンスターはそれぞれの階層から出てくることはないが、稀にモンスターが階層移動を行うことがある。これを––––


『ヤバいだ!逃げてコモヒメ!』


【異常行動の問題児】=《イレギュラー》

と呼ばれる現象である。


「グラルルルルオオ……」


「くっ……」

(どうする……逃げるのも一つの手だけど……)

を放置するのはマズイよね」


《イレギュラー》のモンスターは階層移動後放置すると、稀にだが、へ出てきてしまうことがあるため、遭遇した場合の対応としては救援を呼んで逃げ続けるか、隠れておく必要がある。しかし例外として–––––


スゥー……フゥー

「………します!」


『ちょ!?マジで?!』

『いやコレは救援呼んだほうがいいって!』


––––––遭遇者が討伐するという方法がある。


「っ!」

ドガアン!!


ザザー……「ふぅ、避けれた」


『ヤバいヤバいヤバい』

『ちょっ、誰か救援要請した?!』

『サイクロプス出た時にしてはあるけど……』

『Aランクワンパーティでもきつい相手だからなぁ』


「はぁっ!」

ザンッザザンッ


「グオオオオオ?!」


『おぉすげえ!』

『サイクロプスの両腕切った!』

『……ねぇ、そういえばなんだけど』

『ん?』

『どした?』

『確かさ、イレギュラーに一定のダメージ与えると《凶化》しなかったっけ?』

『『『『あっ』』』』


「グラルルルル………グオオオオオアオオオオオアオア!!!!」


「うっ?!きゃあっ?!」


青かったサイクロプスの肌が赤くなり、切り落とされたはずの腕が再生する。


『ヤッベェ!!』

『コモヒメ逃げてー!』


「ガハッ……」

(どうすればいいの?………)


『んっ?え、あれ猫?』

「えっ?」


振り返ってみると、そこには灰色の毛並みをした一匹の猫が歩いて来ていた。


『なんで猫?』

『どっから入ったんだ?』

『……なんかサイクロプスビビってない?』

『あ、ホントだ』


「グッググ……グオオオオオ!!」

「ちょっ、危な–––」


《ニャックシュン》

ボンッ!!


「グオッ?!」

「えっ?」

『はぁ?』 


ドッガアアアン!!

ズズーン


「え?え?今見間違いじゃなかったら《くしゃみ》で猫がサイクロプス倒した?」


『やっぱりそう見えたよね』

『いやどんなくしゃみだよ!』

『ってあれ?倒し……じゃなくて倒されたサイクロプスどこいった?』


「えっ?あれ?」

コメントに気付いて辺りを見回してみると、倒されたはずのサイクロプスの姿がなかった。


テテテッ

「ニャーン」スリスリ


「えっ?」


『わぁ〜かわいいー!』

『ほんとだねー画面越しで分かるくらいもふもふだ』


「わぁ……もふもふ……」

『おっ、久しぶりにコモヒメの微笑みが出たぞ!』

『ってコモヒメ!体!自分の体見て!』


「えっ?……っ!?」

「傷が治ってる?!」


『え、コモヒメ結構怪我してたよね?』

『我々がその証人だしな』

『もしかしてその猫ちゃんのおかげ?』


ニャァーン ピョンッ


「あっ……」


「ニャーン」テテテッ チラッ テテテッ チラッ


「?」

『もしかしてついて来い的な感じなんじゃない?』

「そっか!じゃあついてってみよう!」

『『『『おー!!』』』』


着いていくこと数分……


「ニャァ」


『あれ?止まったな』

『ここって浅層の最終階層だね』


「ニャニャン!」

「えっ?」


『ん?何コレ』

『これは……扉?』


グイグイ

「わっちょっなになに?!」


『なんだ?』

『猫ちゃんがコモヒメのこと扉に向けて押してる』


ガチャッ


「開いた……」

「ヴーーッニャア!」

「わっ!?」


『うおっ?!』

『猫ちゃんが突き飛ばしたのか?!』

「バイバーイまたねー!」


「えっ?」

『んっ?』

「猫が……」

「『喋ったあああぁぁ!?』」


こうして私の奇妙な出会いはここで幕を閉じたのでした。


*********************

さて、ここで構想が吹っ飛んでしまいました。

皆さんが「こんな展開欲しい!」みたいなのをいただいたらランダムに選んで活用、反映させていただくスタイルにしていきますので、どしどしコメントをよろしくお願いします!

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