第6話 間違い

私は彼女を馬鹿にしたことなど一度もなかった。大事にしたいと、愛していると心からそう思っていた。

仲直りをして数日が経ち、冗談を言い合い楽しく会話をしていると、突然「どうしていいか分からない」と彼女は言った。

そして、それから一週間の間、彼女は何も話してはくれなくなった。一日一日自分の考えが変わる中で、何とも話してくれない彼女の事が分からなくなった私も、遂に限界を迎えてしまった。

何も分からなくて苦しいと伝える私に、「やっぱり無理、もう会いたいと思わない」と返す彼女。

泣き叫び、崩れ落ちた。

残酷だと思った。

"何も分からなくて苦しい"

きっと、今まで彼女が私に感じてきたことそのものだったと思う。

「悪者になろうとしなくていい、笑っていて」

そう、別れを告げた。

私は全てを間違えた。







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