第7話 1019

"どうしていいか分からない"

彼女は最後まで私に助けを求めていた。

あの時笑って話した彼女のトラウマは守るべき私が色濃くさせた。

我慢して受け入れることが優しさではなく寄り添うということでもなかったなんて、きっとそんな簡単な間違いではなかった。

愛するということ、愛する人のために変わりたいと思うこと、変われなかった自分が愛していた人を苦しめたということ。

間違いすぎる私にいつも正解を教えてくれていた彼女はもういない。

私はまた、人を愛する事が出来なくなってしまった。

人は簡単に変わることが出来ない。

私が残酷だと感じていたそれは、比べる事のできない残酷な言葉として彼女を苦しめ続けていた事に私は気付く事が出来なかった。

名前の数字を足した時、1019となる。

もう二度と、交わってはいけない数字。

償い切れないこの過ちを私は一生背負って生きていく。そしてまたそれは、彼女へも一生背負わせて生きていくということだ。

どうか、彼女が笑えるようになりますように。

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