家庭教師となった綺麗系女子大生の恋愛アドバイスがとことんまちがっている。

三夜間円

第1話 幼馴染は笑い飛ばす!

「ハハハ腹痛い~。ちょろいな~影文かげふみ


 俺の名前は影平かげだいら影文。高校三年だ。

 名は体を現すとはよく言ったもので、光のあたらぬ存在、つまり地味で目立たぬ影のような存在が今の俺である。


 そして、今、目の前で腹を抱えて笑い飛ばしているが、向かいの家に住む幼馴染で同じ高校に通う、剣菱刀花けんびしとうか。高校三年だ。


 交際一日でみごとフラれた俺をこうして笑い飛ばしてくれている。ただ、俺としては下手に慰められるより遥かにいいと思っている。


「そんな面白話を引き当てちゃうなんて、あんた明日死ぬんじゃない? それとも、もう死んでる?」


 そう言いながら、俺の背中をバンバン叩く。


 そんな彼女は俺とは違い容姿端麗で、運動神経も抜群。勉強は少々残念な結果だが、明るい性格で友達も多い。俺と剣菱は幼馴染であることから仲も良く、周囲からはうらやましがられることもあるが、そのあまりにもフランクな関係性は親友以上恋人不能という間柄なので発展することもまた皆無。


 ただ、こういうときに話ができるのは本当に気が紛れていいと思っている。それにこれが缶ジュース1本で済むのだからお安い。


「剣菱ってやっぱ安い女だよな!」

「言い方。言い方」


 空いた缶ジュースが投げつけられた。


 イテッ。


 避けたつもりが、しっかりと頭にあたってしまう俺だった。




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