準備
「何してるの?」
狐々露は一人で作業をする千夜に話しかける。
千夜の体は黒く汚れておりしばらく作業をしているようだった。
狐々露に気づいた千夜は話す。
「自分たちは
千夜は自分なりに崩壊世界について調べていた。
闇市などにいる情報屋などにも声をかけ、情報を得ていた。
そこには化け物がいる。これは随分と前からわかっていたことだが、それでも情報がない状態で行くよりかはましだった。
どうやら化け物には並の適応体質者では装備なしでは多数の死者がでるくらいには強いようで、それは千夜を驚かせていた。
なにせ、千夜は軍の強さを知っていたからこの国、ラフの軍は他と比べても平均的には優秀なのだ。
たとえ装備なしでもそれは変わらないはずだった。
装備がなくとも魔法と適応体質である以上ある程度の身体能力は保証されるはずなのに死ぬ。撤退ではなく死者が出たのだ。それも多くの人がなくなった。
千夜は狐々露と竜玖には死んでほしくない。
たった二人の親友を死なせるわけにはいかないのだ。
そう思い、千夜は急遽装備を作り出す。
パワードスーツ。
予算の都合上そこまで高性能なものは作ることはできない。
だが、なによりはましだった。
メインの装甲は主に鉄を主体としている。
正直なところこれはあまり期待できるものではない。
この世界にはオリハルコンやミスリル、マグナイトなど様々な鉱物が存在する。
それはどれも鉄よりも強力なものだがとても高価であるために千夜では準備できない品物であった。
だがこのパワードスーツの目的は装甲じゃない。
このスーツは飛行が可能なのである。
飛行といっても低空飛行なのだが、フザフライトという鉱石とジョット噴出によって低空ながらも一時的に高速で動くことが可能なのだ。
その高速で動けるのは1秒ほどだが実戦での1秒はすごく長いのだ。
あとは緊急脱出機能だ。これはスーツを爆発させスーツ内の人物を脱出させる。
近くにいたやつは爆発の影響でダメージを負おうもののスーツをつけている人はポリマーのシールドで守られ無傷で脱出できるというものだ。
爆発させたときにも先ほどの高速移動の応用がされており、高速で脱出が可能なのである。
ここまでさんざん性能について語ったものの簡単に言えば、逃げる用のパワードスーツなのである。
「性能はだいたいこんな感じだな。二人に合わせるためにパワードスーツの見た目も少し変化させてる。」
「ああ・・・うん、わかった。」
狐々露は途中から聞く必要がないと判断したのか詳細についてはあまりよく聞いていなかった。
もちろん、機能の使い方やいわば逃げる用などはちゃんと聞いている。
聞いていないのはあくまでその詳細なのである。
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「よーし。準備は?」
三人はパワードスーツを着用してゲートの前に立っていた。
そこの周りには何もなくただの地下室だった。
このゲートは地下室にできたことで国から場所を見つけられなかったのだろう。
「OKだ。」
「こっちも大丈夫だよ。」
竜玖は二人の了承を確認するとゲートへと入っていった。
それに続いて千夜、狐々露と続いてく。
目を開けるとそこには荒廃したビル群があった。
建物には植物が溢れており見たことのないような異形の鳥が居座っている。
化け物の強さはかなりバラバラであるのだが、異形の鳥それも人間の半分くらいの大きさしかないこの鳥はそこまでの強さを持たないのだろう。
千夜たちを見るやいなや飛び立っていった。
「すげえな。」
竜玖が言った。それには関心が大きいようで竜玖の目は見開いていた。
「竜玖。調査するんだろ?いくぞ。」
千夜が竜玖にそう言った。
狐々露はもってきた機械を作動させる。
これは音波を利用した索敵であり、周りに何もいないことを確認していた。
「ああ、いこう。」
竜玖たちはビル群を見ながら歩いて行った。
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見なくてもいい設定集
ラフ
主人公たちが住む国。治安が悪いものの国自体が悪いのではなく単に犯罪組織が多いだけである。
国土はまあまあ広く三大国といわれるくらいには技術も発展している。
マグナイトやフザフライト
オリジナルの鉱物。フザフライトは浮く力があり、マグナイトはすごくかたい。
千夜、狐々露、竜玖について
三人の中では種族そのものもあるのかもしれないが千夜が一番身体能力が低い上に、魔力のような力も少ない。
狐々露は三人の中では一番魔力というものが多く身体能力自体は2番目となる。
竜玖は魔力は二番目で単純な身体能力なら一番高い。
これからのことを考えると千夜はパワードスーツを着用して戦うの基本になります。
他二人はパワードスーツがなくともいくつか秘密があるのでパワードスーツがなくとも戦闘可能である。
ESH 燈火 ロールクライ @hedohon15zzz
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