神の旅 下級楽士の幻想譜

ちるちるみちる

第01楽章 下級楽士の創世記

第01楽章 第01小節 異世界創造 下請けに

 異世界に転生や転移するのもいいけど、自分の望む世界を創った方がより楽しめないかな……? ということで、世界を創造しよう。何から始めようか。理気二元論ではないが、まず法則から雑にでいいよね、世界の理を構成する元素を3つ作っていく。


 我思う、故に我あり。最初の理は創造の根源たる≪夢幻≫。

 世界の器を用意しよう。最初は惑星系1つぐらいの小さな世界でいいかな。2つ目の理は≪時空≫。

 心の器を用意しよう。3つ目の理は≪魂魄≫。

 

 ここまででできあがったのは小さく空っぽな宇宙。



 次に世界の気を構成する元素は4つ用意しよう。


 天照らす太陽などエネルギーを司る≪火≫

 星を覆う大気など、気体を司る≪風≫

 川に流れ海を育み、液体を司る≪水≫

 そびえ立つ山々や広大な大地など、個体を司る≪土≫


 小さな宇宙に対して、さらに少量の気を充満させる。分量のイメージはお抹茶の薄茶を点てるイメージ。空間を操作してよく混ざるように撹拌するが、前後によく混ぜて最後は「の」の字を書くようにして、中心で引き上げまとめる。気は宇宙に溶けるわけではなく、自然と気が集まり無数の玉になり、「の」の字の平面軌道には少し大きめの恒星や惑星、衛星ができあがる。


 これで小さな宇宙に星ができた。



 次に生命の器となる遺伝情報の記録媒体の用意。


 与える≪火≫の対極は奪う≪風≫、潤いの≪水≫の対極は渇きの≪土≫。4種の分子が連なりで鎖状構造をつくり、対極分子の連なりが相補的な二重螺旋構造を形成する。


 これで生命が誕生する下地ができた。



 あとは星や生命の営みとして、理と気の循環を管理する者の定義。

 生命の記憶や魂魄を循環、再利用するため冥界の管理者を創る。≪夢幻≫≪時空≫≪魂魄≫の管理者権限を付与。自分自信の姿形の定義や冥界の創造、管理をやっておいてと指示出し。

 星に暮らす生命の管理として、天界の管理者を創る。≪火≫≪風≫≪水≫≪土≫の管理者権限を付与。同じく天界も丸投げしておく。

 星の管理者として、精霊界の管理者を創る。天界同様に丸投げする。


 惑星系を1つ創ったところで、自然発生に任せていたら数十億年たってもうまくはいかない。とはいえ自分で全部作っていくのは面倒なので、管理者に下請けしてもらおう。え、どんな世界にするかなどの具体的な指示的な指示がないって? それはまた後あとで仕様変更で指示出しすればイイヨネ。

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