第7話 人形の怪7
鵺原の報告書
怪異の正体は、家政婦の呪い。
家政婦が、昔堕した胎児を人形に埋め込んでいた。その人形が、長い時間、母である家政婦の歪んだ感情を受けて怪異に転じた。
人間を二人殺して力を持ち、怪異は制御不能となる。呪い主をも殺害し、少年に憑依しようと考えていたようだが、妖課職員により阻止されて捕獲されるに至った。
その後、文書は、少年や家政婦などの関係者の個人情報を書き連ねている。
南方は、相変わらず淡々ととした報告書を読んでため息をつく。
「あれだけ苦労したことが、『妖課職員により阻止されて捕獲される』で終わり。愛がない」
「良いじゃん。別に」
隣でサンドイッチを美味そうにかじる柳田に、さらに南方は大きなため息をつく。
遠野課長に柳田のことを問うた。
答えは、濁されてしまった。
「得体の知れない相棒と組まされて、ため息くらいいくらでも出るわ」
「そうっすか? 別に普通でしょ」
ニコリと爽やかに柳田は笑う。
納得のいかない南方は、さらにさらに大きなため息をついた。
こちら区役所妖課 ねこ沢ふたよ@書籍発売中 @futayo
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