エピソード3.5 また別の先生の話
風が吹いてカーテンがはためく。
昼の日差しがキラキラと眩しい。
「あなた今日一体何をしていたの?」
「生きてました」
「は?」
「起きて、ご飯食べて、トイレ行って、バスに乗って学校に来て、授業受けて、トイレ行って、ご飯食べて、授業受けて掃除しました」
「あなた、私のこと馬鹿にしているの?」
「いえ、むしろ尊敬しています。生きることはとても大変です。それに加えて先生はテストを作ったり、採点したり、授業の準備をしたり、こうして私みたいな不出来な生徒の説教までするなんて、リスペクトです」
「それならもう少し手がかからないよう頑張ってほしいものだけど。はあ、もういいわ。課題出すから月曜までに持ってくるように」
「はい、失礼します」
彼女は今日も生きている 降矢あめ @rainsumika
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