第10話 おそらく交渉術を学ぶべきだろう……

みなさんこんにちはどうもこの世界ではファンドと言われています。


あの後どうなったか簡潔に説明すると……すっごい大事になりました。


実はあの光景を見られてしまった俺と受付嬢であるヤナさん。父さんは予想していたみたいだけどやっぱり目をそらしてしまった。なんだぁ?女みてぇな反応すんじゃねぇか!?と思ったがそうでしたこの世界貞操観念が逆転していたんでした。


そして母さんは大激怒。この領の統治権を持っているエルドルド領の裁判所に被害届を出した。ヤナさんに。まっずいと思った俺はなんとか母さんに弁解したが「騙されてるんだよね。わかってる。私がちゃんと見ていなかったのが悪いわ。あと……ハルがちゃんと見ていなかったのが悪いわね……」


「あの……すみませんでした。」


「父さん……」


俺は本当に父さんに心の中で土下座する勢いだ。

まじで俺の秘密も守って自分の罪を被ってくる本当に父さん様様です。


「違うんだ母さん。ヤナさんは悪くなくて……」


「私が絶対懲らしめてやる!」


これって地球では父親が娘(6歳)の貞操が危険なことを気づきその相手をぶちのめそうという感じだろう。


確かに怒るわそりゃ……


ここは俺に非があることを言って何とか被害届を撤回してもらえると助かるんだが……


「あの……母さん。」


「どうしたの……?怖かったよね……ごめんね?」


「いやいいんだ。今回は僕が悪かったんだ。僕が早く童貞卒業をしたかったからあのお姉さんに頼んだんだ!」


「な……ッ!なんでそんな危ないことッ!!!!」


俺は肩をつかまれる。

しかし俺はそのまま続ける。


「だって……冒険者協会に僕が手を貸せば母さんも父さんも……楽できるかなって……」


「ッ!!!ごめんね……私がもっと裕福だったら……」


いいや?そういう話じゃないんですよ?情に訴えかける作戦がもしかしてお金稼ぐ方向になっちゃった?


「僕は……早く自立して立派な男性になりたいんだ!みんなから必要とされるような!」


「ッ……ファンド……」


母さんは俺をぎゅっと抱きしめる。


なんか……演技なのに泣きそうになってきちゃった……


「わかったわ……ヤナ……という女性に罪がないことは分かったわ。後で正式に謝りに行きましょう?」


俺はその笑顔がめちゃくちゃ怖い笑顔なのを見逃さなかった。


「そ、そうだね……」


なんとかうまくいったと思ったが……まだまだ難関はあるらしい。


俺はとりあえずベッドで休むことにした。

この世界のベッドの性質はほぼ地球のベッドと大差ない。

売っているものの性質がかなり高いのかそれとも機械を介して作っている地球の技術と変わりないことが異常なのだ。


俺は常々この疑問を思っていたのだがこの6年この世界のことを把握するのに時間がかかってしまったのだ。思考回路は確かに同じだが頭の大きさはまったく違う。理解するのに子供並みの思考時間がかかってしまう。しかしこれでもありがたい方だ。記憶を引き継いでくれただけでも感謝すべきだろうな。


結局。聞くのが面倒くさかったということもあるが(苦笑)


俺はその日は一日中寝てしまったらしい。


「全く……この世界は本当に都合が良すぎるな……」


しかし油断してはいけない。

この世界に俺に都合よく動いてくれない人間の方が多い可能性がある。


まぁめっちゃ特徴的なことを言うと……百合好きとか?


いや男が統治する世界ではないのだ。


ここは男の頭数が少ないからって男が有利な世界では決してないことを俺は頭に誓うのだった。


第10話終わり

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貞操観念は逆転した世界は性欲マシマシ男にとって最高という他ならなかった リルク @riruku0123

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