私の日記
@skp02
高校生活
今は2026年4月。私の名前は百瀬楓(ももせかえで)。大学1年生。
これは私の過去のお話。
ーーーー1
2023年4月朝5:00。
今日は私の高校入学式。緊張しているせいかすごく早起きしてしまった。
私は中学校が楽しくなかったわけでもなく友達に不満があったわけでもないのに、中学校の友達が進学しやすい高校には受けずにわざと家から遠めの高校を選んだ。
中学校時代、メガネをしていた私は高校に上がる時にコンタクトに変えてアイプチもし始めた。私は中学校の友達にそれを見られたくなかった、見せたくなかった。
だから私は遠い高校を選んだ。それだけでって思うかもしれないけど私には大きい事だった。
ついに初めて登校する日がきた、待ち遠しかったはずなのにちょっと憂鬱。
私は少し大きいブレザーと膝下まである長いスカートにキツキツに閉めたリボンを付けて家を出てお母さんと一緒に1時間かけて高校まで行った。
私は1番後ろの席だった。中学校の時は真ん中の席がほとんどだったので後ろを見ても前を見ても横を見てもどこを見ても人がいた。
でもこれからは違う、後ろには人がいない。
そこで私の理想が少し崩れた。私は後ろを向いて「中学校どこ?!」と明るい声で話しかけるつもりでいた。
でも後ろにはいないしまず教室では誰も話していなかった。みんなが前を向いて1人で座っている。
私がキョロキョロ周りを見回していたせいか隣の子と目が合った。私はやっとチャンスがきた!と思って、おもわず「中学校どこ?!」と言ってしまった。
その子も最初は戸惑っていたものの、声をかけてもらったのが嬉しかったのかいっぱい話した。
私の住んでいるところから遠いところに住んでいて私とは雰囲気も全然違うかった。松下ひかり。初めて仲良くなった子。高校生になって、教室に入って初めて話した子。明日からも話そうっていう明日の目標ができた。
ーーーー2
学校が始まって1週間くらいが経った。
周りのみんなもグループができてきた。
私はひかりと2人。もともと中学校でも2人組だった私は特に違和感もなく過ごしていた。
ひかりとも波長が合ってすごく楽しかった。
1学期は校外学習があった。
校外学習はグループ行動。ひかりと初めて話す女の子2人、男子4人の8人グループで行動。
いっぱい写真撮ったり8人でプリクラも撮った。
校外学習が終わってから、ひかりとは家が近かったこともありそのままカフェに行っていっぱい話した。
電車に乗って一緒に帰った。中学生ではできないことを初めてできた気がした。中学校では吹奏楽部だったけど高校では部活には入らなかった。ひかりも入らなかったので毎日一緒に帰った。
あっという間に1学期が終わった。
部活もしていなければ補習もなかった、だから夏休みは1回も学校に行かない。となると、ひかりとも会わなかった。
日に日に、ここひかりと行きたいなぁっていう気持ちが積もっていく。
「久しぶりにメールしてみようかな。」
ーーーー3
楓「最近元気?笑
ずっとスマホ見てたらひかりと行きたいと こいっぱい出てきたの!
夏休み遊びに行きませんか!!笑」
ひかり「え!行きたい!!
てか私も言おうと思ってたの!笑」
私は幼稚園から中学校までほとんど周りの人が変わらなかったので、特に友達作りをしてこなかった。
だから色々緊張する。
遊ぶ約束ができた。
1回遊んでしまうと、よく会うようになった。
私の家でお泊まり会もしたし、お祭りも行った。
ついに2学期。
私の担任の先生からは、「2学期は慣れてきてだらけてテストの点数が下がったりするから気を抜かないように」と言われた。
私は専門学校に行くつもりだったが、最近友達の話を聞いていると大学も気になってきていた。
2年生で、文系と理系に別れるのでそれまでにだいたいの進路を決めておかないといけない。
2学期は行事が沢山ある。
文化祭に体育祭、2回目の校外学習もあった。
2学期も1学期と変わらずひかりとお弁当を食べて一緒に帰った。
そろそろ中学校の友達にも会いたくなってきていたので小学校から仲のいい2人にも会った。
放課後集まって家の近くのお寿司屋さんでお寿司食べてそのまま解散。家が近いとできることもある、それはそれでわくわくする。
高校生になって私は初めてすることばっかりで楽しんでいた。
初めてのバスと電車での通学、友達と放課後にカフェ、制服でプリクラ、コンビニで買い食い、、
毎日同じスケジュールを過ごしていた中学校時代とは変わってすっごく楽しかった。新しかった。
ーーーー4
そこから2年後。
私は高校3年生になった。それまで色んなことがあった。
いつの間にか、ひかりと話す日は少なくなっていった。
2年生になった頃、クラスが離れた。でも、最初の方はお弁当は2人で違う部屋で食べて休み時間はお互いのクラスに行って話していた。
でも2年の夏休みが終わってから、ひかりは来てくれなくなった。私がひかりに会いに行っても振り向きもしなくなった。メールで明日お弁当に行こうって誘っても、一緒に帰ろうって言っても返信すらくれなくなった。
原因が分からないまま1ヶ月くらいがたった。
2年生の夏休み終わりの2学期は、もう周りはグループが完全にできている状態。そんな中今更入っていけなかった。入れなかった。
運良く席替えをすることになった。
よりによって1番後ろ、1番端っこ。
隣は静かめな女の子、藍沢星華(あいざわせいか)。
前はクラスの真ん中的存在、高橋悠翔(たかはしゆうと)。
2人とも話したことがなかった。私は最近ずっと見ていた「友達の作り方」のウェブサイトを思い出した。
「今日一緒にお弁当食べない??!」
星華はびっくりした顔をしながら、
「私でいいの...?」と言った。
そんなの今の私からしたら大歓迎だった。逆に仲良くしてくれた方が嬉しかった。
楓「うん!友達になりたい!!!」
星華「なろう!!私も友達になりたい!!」
今考えるとすっごくベタな言い方だったと思う。だってそう突っ込まれたから。
悠翔「今どきそんな言葉使うやついんの笑」
楓・星華「え??!!!」
悠翔「普通友達になろうとか言わないから」
「いつの間にかなってるもんだし、たぶ ん」
私と星華は笑ってしまった。でも私の一言があったから星華とも悠翔とも話せて仲良くなれた。
それから悠翔はなにかと私を気にかけてくれるようになってクラスの遊びにも誘ってもらえるようになっていった。
そういう楽しい場所にいるとひかりのことを考えてしまう私って優しすぎるのかなと思ってしまう。
悠翔「カラオケまで来て何考え事してんの」
楓「え?!なんも考えてないけど!!?」
悠翔「バレバレだから」
と言って頭を悠翔の手でコツンとされた。
みんなには見えてなかったらしく何も言われなかったが、自分の顔が真っ赤に赤くなっていることだけは分かっていた。
「私って悠翔のことどう思ってるんだろう」
ーーーー5
私と悠翔は2年の2学期くらいから一気に仲良くなった。最初はクラスのみんなでカラオケに行ったりしていたけど、だんだん4人で遊びに行くようになったり最終的には2人て遊びに行くまでの仲になった。
みんなから付き合ってるんじゃないのって聞かれたしそれは私も聞きたかった。
冬休み前、私とはまったく接点のない人からチラチラ見られるようになった。私は疑問に思いつつもなにも思わないようにしていた。中学校の友達から気にした方が負けって教えてもらっていたから。
冬休みに入った12月24日のクリスマスイブの日、悠翔からテーマパークに行こうと誘われた。
そんなこと今まで1度もなかったからどうすればいいのか分からないし、正直誘ってもらえて嬉しい自分もいた。
星華に「クリスマスってか冬っぽい服装ってど んなの!
テーマパークにスカートってなしだよ ね?」
など全部聞いた。
そんな私にも星華は優しく電話で教えてくれた。
星華から聞いた話によると悠翔のことをクリスマスに誘おうとしていた女子がいたらしく、しかもその誘いを悠翔が断って楓と遊びに行くからと言ったらしい。
それを電話で聞いた私はもやっとしていた。
「それはどういう意味で言ってるの、なんで私を誘ったの」
結局クリスマスイブまでグルグル考え続けてしまった。
ちょっと憂鬱な気持ちを隠して準備する。
待ち合わせのところにはもう悠翔がいた。悠翔は私を見つけると笑顔で手を大きく降っていた。
「私の気持ちも知らないでっ」
今日は遊園地に連れて行ってくれるらしい。私は何も聞かされてなかった。でも、絶叫系とかなんでも好きだから嬉しい。
乗り物に乗ったり、ご飯を食べたり夜にはパレードも見た。時間が過ぎるのは一瞬で帰りの電車は満員。
電車がすごい揺れた時があった。私は思わずふらけてしまって、やばい倒れると思ったとき。
不意に誰かに支えられた。それは悠翔以外の人のはずなく、悠翔は耳元で「大丈夫?」と言ってそのまま手を掴んでいてくれた。私の心がキュウとした。
駅に着いた時「今しかない」と思った私は、
「悠翔今日は楽しかった、ほんとにありがと う!
ひとつ聞いてもいい?
なんで今日私を誘ってくれたの?
なんでわざわざ私と遊ぶって他の人に言った の?」
私は今まで溜め込んでいた疑問が溢れてしまった。わけも分からず泣き出してしまっていた。
悠翔は黙り込んでボソッと
「なんでわかんないんだよ」と言って私を引き寄せた。
「楓、俺と初めて話した時覚えてる?
あの時の楓の純粋さと楓の笑顔に惚れてた。そこからずっと楓が好きだった。だから他の女子に女の子が楽しめる場所聞いたり、他の女子に遊び誘われても変に惑わさせないようにしっかり楓と遊ぶって名前まで出して断ってた。」
「楓、聞いてくれる?」
「俺と付き合ってください。」
私は大泣きで頷いた。
「もちろんです。私もずっと好きだった。」
これが私の頑張って振り絞った言葉だった。
悠翔は嬉しそうな顔で笑って、もう一度私を抱き寄せた。その後唇が暖かくなった。
私はびっくりして悠翔を見ると、
「クリスマスイブが記念日って最高じゃね?」って笑って言っていた。
私たちは手を繋いで家に帰った。家が反対方向な私たちは、悠翔が送るからって言ってくれてそのまま送ってもらった。
玄関の前で悠翔が、
「楓!今日ありがと。ほんとに楽しかった。
あと、俺からのクリスマスプレゼント首にかけてるから。」
だけを言って走っていってしまった。
私はゆっくり首元に触れる。
金色で楓の形をしたネックレスがかけられていた。
「こんなんもっと好きになるじゃん、楓の形のネックレスなんて売ってないよ普通、」
なんてことを思い出していたら不意に遠くから呼ばれた。
振り向くと悠翔が笑顔で手を振っていた。
ーーーー6
今日はクリスマスイブ。高校生最後。
今日もどこに行くかは教えられず、1年前と同じ場所で待ち合わせだった。
「悠翔、今日はどこ行くの?気になるんだけど!」
悠翔はいつも通りの笑顔で私の手を握って、
「んー秘密!着いたらわかる」
としか言わない。
「なにそれ、悠翔らしいなぁ」と思いながら一緒に歩いていく。
着いたところは1年前にも来たテーマパークだった。
「今日もここで楓と一緒にすごしたい、でも夜はどっか食べ行こう」
私は嬉しかった。
1年前と同じで、ひたすらジェットコースターに乗ったり2人でお化け屋敷に入ったりパレード見たりして過ごした。
17:00のチャイムが鳴った。
悠翔は「そろそろ出よっか」と言って違うところに向かい始めた。
私は全く分からない。「どこ行くのって聞いても無駄なことは分かってる、でも気になる」
「ねぇ悠翔どこいくの、そろそろおしえてよ」
「だーめ、もうちょっとだから待っときなさい!」って言ってまた私の頭をポンポンした。
着いたところは東京タワーが綺麗に見える、東京を見渡せそうなくらい広いレストランだった。
思わず「わぁ綺麗」と声に出てしまうほどだった。
私と悠翔は窓際の席に座って美味しい飲み物とご飯を食べた。
私は「こんなところ初めてだね、すっごく美味しい」
悠翔は「高校生なのにって思うかなぁとか、考えたんだけどやっぱりこれくらいがピッタリだと思ったんだ」
悠翔は真剣な表情で「楓、これから俺たちは別々の大学に行って自分の好きな仕事に就けるように頑張るじゃん。会う頻度も必然的に下がってしまうかもしれないけど、俺はずっと楓のこと好きだから。楓以外考えられないから。」と言って箱に入っているネックレスをくれた。
「1年前にあげたネックレスは楓の形したネックレス、でも今年のネックレスは俺とお揃いのネックレス。」
嬉しかった。こんなこと言って貰えると思ってなかったから。結局私はまた大泣きして、
「高校1年生の時の私はこんなこと言って貰えると思ってなかったし、こんな大切な人に出会えると思ってなかった。本当にありがとう。」
でも私は思った。実は私もプレゼントを用意していること。
「ねぇ、悠翔。
実は私もプレゼント用意したんだ。」
悠翔は目を見開いて私のことを見ている。
「でも、悠翔に先越されちゃったね。」
と言って私はカバンからプレゼントを渡した。
悠翔はドキドキした顔をしながら開けていた。開けた瞬間笑顔になって、
「楓もこれ買ってたの?と言ってつけて見せてくれた。」
悠翔の首元には1つのネックレスがかかった。
「私たちのプレゼント、ネックレスしかないね」
私たちらしいねと笑って言った。
クリスマスが終わるとすぐに年末、年明けとなって4月になった。
私たちは大学に入学した。
案の定、2人とも忙しくてあまり会えていないが私は大丈夫。ほとんど毎日電話して、ネックレスは毎日つけている。
実は悠翔が買ってくれたネックレス、水につけてもサビないやつらしくて本当にずっとつけている。
こんな大切な人に出会えて幸せです。これからもよろしくね。
この私の日記をいつか悠翔に見せれるくらいになっていたらいいなと思いながら今日の日記を書いていく。
私の日記 @skp02
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