7 今、わたしがいる場所。

 今、わたしがいる場所。


 今度、君が生まれてきたらわたしは君にあなたのことをなんて話そうかな?

 話したいことがたくさんある。聞いて欲しいこと。君に覚えていて欲しいことがいっぱいあるんだ。

 わたしは君のことを愛してる。だから大丈夫。安心してこの世界に生まれてきてね。わたしは大きなお腹をそっと撫でる。

 なんだかとってもねむい。ずっと眠っていのにまだ眠り足りない。わたしは夢を見ていた。とても長い夢を。幸せな夢を。あなたの夢を見ていた。

 それはどうしてだろう? ひとりが不安だから? これからの人生が怖いから? とっても遠い場所にいるあなたに会いたいと思うから?

 あなたは今、月にいる。夢を叶えて。うちゅうひこうしになったあなたは今、月の上を歩いてる。わたしをひとりぼっちにして。わたしをこの星に置いてけぼりにして。

 まあ、別にいいけど。

「宇宙が好きなんだ」

 そんなあなたの声を思い出す。

 それはあなたがわたしに愛の告白をしてくれた日に一緒に夜空の月を見ながら、わたしに言った言葉だった。


 ……君は今、なにを考えているのかな?


 古い大きな地図 終わり

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