ちっちともっぴ おつかいへ


「カフェ ひなたぼっこ」は

もりの なかに ある 喫茶店きっさてんです。


ねこさん一家いっかが いとなんでいます。


2匹の こねこが

カフェの おにわで あそんでいます。

ふたごの 兄妹きょうだい

しろねこの ちっち と、

みけねこの もっぴ です。




ちっちともっぴが

アリの ぎょうれつを みていると、

おとうさんが やってきて いいました。


「ちっちともっぴ、

 おつかいに いってきておくれ」


「いいよ!」

「おつかい だいすき!」


ちっちともっぴは

ぴょん ぴょん、と とびはねます。


おとうさんは、

ひきに おつかいの てじゅんを おしえたあと、


「カフェの サービスけんを 3まい わたすよ。

 みんなに あげてね」


そう いって

ちっちの ポシェットに おかねを、

もっぴの ポシェットに サービスけんを いれました。


「きをつけて いっておいで」


「はーい」

「いってきまーす」


ちっちともっぴは はりきって でかけました。




まちに つきました。

ちっちともっぴは、

雑貨屋ざっかやさんへ やってきました。

アライグマのおじさんが いとなんでいます。


「おや、ちっちともっぴ。

 いらっしゃい!」


アライグマのおじさんは

きょうも とっても げんきです。


「おつかいに きたんだよ」

「カフェで つかう

 おおきなマッチばこを 1つ くださいな」


アライグマのおじさんは

かみぶくろに マッチを1はこと、

おまけに あめだまを 2こ、いれてくれました。


ちっちともっぴは うれしくて

おもわず ぴょん ぴょん、と はねました。


ちっちが おだいを はらいます。

つぎに、もっぴが 

カフェひなたぼっこの サービスけんを わたしました。


「おじちゃん、また カフェに きてね」


「ありがとう。また いくよ」


ちっちともっぴは かけあしで

雑貨屋ざっかやさんを あとにしました。




つぎに やってきたのは パンさん。

シロクマのおばさんが いとなんでいます。


「あら、ちっちともっぴ。

 いらっしゃい」


シロクマのおばさんは、

きょうも にこにこ やさしい えがお。


「こんにちは」

「おやつ かいに きたんだよ」


ちっちともっぴは

おとうさんに いわれていました。


雑貨屋ざっかやさんでの おつかいが すんだら

 おやつを かって いいからね」と。


ちっちともっぴは、さいしょから

おやつに かうものを きめていました。


しょくパンのシッポ くださいな!」


ちっちともっぴが いうと、

シロクマのおばさんは 「シッポね」と、わらいます。

そして、みせの おくから

あぶらで あげて、さとうを まぶした

しょくパンの ミミを もってきて、

かみぶくろ いっぱい いれてくれました。


ちっちともっぴは しんじていました。

これは、しょくパンの シッポだって。


ちっちともっぴの くちから

ちょろっと よだれが たれます。


ちっちが、よだれを ふきながら

だいを はらいます。

もっぴは、だいすきな しょくパンのシッポを うけとりながら、

カフェひなたぼっこの サービスけんを わたしました。


「おばちゃん、また カフェに きてね」


「ありがとう。また、コーヒーを のみに いくわ」


ちっちともっぴは すきっぷで

パンさんを あとにしました。




さあ、やってきたのは こうえんです。


ちっちともっぴは

おきにいりの 2ひきのりブランコに すわると、


いただきまーす!


だいすきな ブランコで ゆーらゆら。

おいしい おやつを もぐもぐもぐ。

ひきは ほっこり。


あー しあわせ!


ちっちともっぴが おやつに 夢中むちゅうに なっていると。

あら?

いつのまにか、めの まえに

ちいさなリスの おとこのこが いました。


「それ、なぁに?」


リスくんが たずねます。


しょくパンのシッポ だよ」

「しょくぱんの しっぽ?」

「うん、おいしいよ」


ちっちともっぴが 

しょくパンのシッポを さしだすと、

リスくんは ひとくち たべて

あら びっくり。


「おいしい!」


ちっちともっぴは にこにこ えがお。

リスくんも にこにこ うれしそう。

そうして、3びき

なかよく しょくパンのシッポを たべました。


「ごちそうさまでした。

 これ、あげる!」


リスくんは、ポケットから

きれいな きみどりいろの まんまる どんぐりを

2つ だして、

ちっちともっぴに くれました。


「わぁ きれい!」

「こんな どんぐり はじめて みた!」


リスくんは えっへん とくいげ。


びきは、また あう やくそくを して

こうえんを あとにしました。




ところが かえりみち。


ころ ころ ころりん。


ちっちともっぴの てから

どんぐりが ころがりおちて。


ころころ ころころ

ぽっちゃん!


いけに おちてしまいました。


「どうしよう!」

「どうしましょ!」


ちっちともっぴが

いけの ほとりで なきそうに なっていると、


「どうしたの?」


カワウソのおにいさんが やってきました。


「どんぐりを いけに おとしちゃったの」

「だいじな どんぐりなの」


ちっちともっぴが いうと、

カワウソのおにいさんは さささっと いけに はいって、

あっと いうまに どんぐりを ひろってくれたのです。


それだけでは ありません。


カワウソのおにいさんは

カバンから かわひもを とりだすと、

くるくるくる、と きように まきつけて、

どんぐりを ペンダントに してくれました。


「これで もう おとさないよ」


「すごい!」

「おにいさん ありがとう!」


ちっちともっぴは よろこんで、

おにいさんに カフェひなたぼっこの サービスけんを わたしました。


「ぜひ、カフェに きてください!」

「いっぱい サービスします!」 


「ありがとう。ぜひ いくよ」


ちっちともっぴは

どんぐりペンダントを くびから さげると、

おにいさんに てを ふりながら、

おうちへ かえりました。




それから 3日が たちました。


やくそくどおり、

カワウソのおにいさんが カフェに きてくれました。

ちっちともっぴは おおよろこび。

おとうさんとおかあさんも、 

しんせつな おにいさんに あえて、

とても よろこびました。


ねこさん一家いっかは カワウソのおにいさんに、

コーヒーに、サンドイッチ、

自家製じかせいジンジャエールに、アップルパイ、

そして、ちっちともっぴが おかあさんと やいた クッキー と、

いっぱい いーっぱい サービスしました。


みんな にこにこ。

たのしい 3の おちゃの 

ひととき でした。






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ちっち と もっぴ 来ノ宮 志貴 @siki0210087

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