第4話 縄文人的なる「我(われ)」の自覚

「日本昔話」に於ける「我(われ)」とは、デカルトが「コギト・エルゴ・スム 我思う故に我あり」と主張したほど、強烈な意志・信念・確信という「我(われ)」ではない。というか、全員が家族という在来種日本人にとっては「他(人)」という意識は希薄なのです。おそらく、現在のアイヌ人たちの感覚と同じであった(と思いま)。


欧州のような、強烈な他者とのせめぎ合いから生まれた、他に対抗するための「我(われ)」という、確固とした意識ではなく、家族も周囲の人も、全員が皆兄弟・親戚、一つの家族であり民族であり国であるという、純粋・単一という霊性でつながった社会に於ける「我(われ)」こそが、在来種純粋日本人の「我(われ)」というものなのです。

例えば、京都いう町は2000年もの昔から、日本中どころか世界中(中国・朝鮮、ポルトガル・オランダ、アフリカの黒人)の様々な人種が集まって形成されてきたコスモポリタンの町です。

ですから、よそ者に対して非常に愛想が良い割には、きっちりと「我(われ)」の自覚を持っている。「京都人のお茶漬け」という彼らの習性がそれを端的に表しています。

ところが、江戸という町は、数百年前の成り立ちからして、主に(縄文人の血が濃い)東北地方の田舎者の集まりですから、なにもかもが「開けっぴろげ」という習性がある。

江戸っ子はみんな同じ家族だから、気兼ねがない。なんでもオープンでノー天気。

それが「江戸っ子気質」というものです。だから、「フーテンの寅さん」のような韓国人的精神分裂症病の人間でも、おいちゃんもおばちゃんも、地域住民も、みんなが家族として仲間に入れてくれる。よそ者に対して閉鎖性がない(警戒感がない)のが江戸町人気質なのです。

言い換えれば、そういう「お人好し」だからこそ、外来種に乗っ取られ、天皇・政治屋から警察屋・マスコミ屋・ゴミ収集の人まで、外来種になってしまったというわけです。

ところが、それでも西洋のように移民排斥運動なんて起きないのが、江戸っ子というか縄文人気質。「日本昔話」の世界をそのまま、現代の江戸っ子というか関東の人間は自然に履行している。

外来種に欺されようと裏切られようとも、私たち在来種純粋日本人だけは魂の純潔を守ろうとする無意識の意識。外来種がいくら権力を持とうが金持ちになろうが横暴であろうが、その物質的・金銭的世界を精神的世界に置き換えて、自分たちだけの「日本昔話」的なる精神性を保って生きている。


「雨は降れども身は濡れはすまい。さまの情けを傘に着て、散りゆく花は根に還る。再び花が咲くじゃない。」と。


まあ、北海道のアイヌの人々と同じ生き方を、大都会の江戸(東京)でも、私たち江戸っ子はしている、というわけです。

********************************

日本人の「我(われ)」とは、いかにも単一民族在来種純粋日本人らしい、他(人)というものが意識の上で存在しない、身内だけの純粋日本人世界ですから、異民族とのせめぎ合いを常とする西洋における「我(われ)」とは違うのです。

在来種日本人の精神世界とは、ケルト人のそれと似ているのかも知れません。

ケルト【Celt】

紀元前5~前1世紀、ヨーロッパの中部・西部に広く居住した民族。やがてローマの支配下に入り、また、ゲルマンの圧迫により次第に衰退。現在はアイルランド・スコットランド・ウェールズ・ブルターニュなどに散在する。妖精伝説や多くの民話・神話で知られる。広辞苑 第七版 (C)2018 株式会社岩波書店


 → 「妖精伝説や多くの民話・神話で知られる」というところが、同じ在来種純粋日本人とよく似ている点です。その意味では、世界中の「原住民」「ネイティブ・アメリカン」「アボリジニ」「アイヌ」「ゲルマン民族」といった、単一の血で何万・何十万・何百年も生きてきた民族・種族というのは、共通する「何か」を持っている。

その故にか、雑種混合の世界で「口八丁手八丁」という原理原則で生きてきた、猶太人や韓国人のような人種には、そういう研究は歓迎されないかもしれません。


********************************


しかし、やがて在来種純粋日本人のなかから、世界中の単一純粋民族共通の霊性(物質を超える精神的・霊的次元に関わろうとする性向・スピリチュアリティー)を研究する人が出てくることを、切に願わずにはおれません。

彼ら原生種が持つ霊性こそ、地球上が外来種による混血混淆でグチャグチャになっていく今の地球を救う、唯一の手だてではないのだろうか。


2023年12月27日

V.2.1

平栗雅人

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

赤ずきんちゃん、気をつけて V.2.1 @MasatoHiraguri

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る