第3話 「日本昔話」による「我(われ)」の自覚
「鳥も鳴かずば打たれまい」「見ざる聞かざる言わざる」「臭いものには蓋」「見て見ぬ振り」・・・。
お隣りの「狡くて、強欲で、嘘つき」爺さん・婆さんの悪行を、黙って見過ごしていれば、「桃栗三年、柿八年、梨の・・・18年」「待てば海路の日和あり」と、いつかは善行を積む人にとって良い世の中になる。
自分たち在来種純粋日本人だけでも、ただひたすら正直に生きることで、いずれは「花咲かじいさん」のように、生きて極楽、死んで浄土となる。
これが古来からの在来種純粋日本人の聖書「日本昔話」の原義(根本の教え)です。
私は、この日本古来の教えは間違いでもあるし・正しいとも思います。
● 三年・八年・十八年待てば、いま生きている人にとり、良い世の中になった例(ためし)はない、ということで、悪い為政者の元で悪は永遠に続く。
その意味では「日本昔話」の教えは間違いである。
ところが、
○ 「最終受益点をどこに設定するか」という観点に立てば、「大自然のように素直に・正直に」生きていれば、(何億・何光年のち・RADWINPSの歌)やがて再び、自分の生に戻ることができる。
悪人(の魂)はその回ごとに違う人間でも、善人は毎回同じ人間がその人生を行ない、寿福の輪廻を繰り返すことができる。
「来世や来来世へ続く、永遠の自分への生まれ変わり」を最終目的とすれば、「日本昔話」の教えとは、至極理に適っている、ということになるのです。
「雨は降れども身は濡れはすまい。さまの情けを傘に着て、散りゆく花は根に還る。再び花が咲くじゃない。」
「根」とは、宇宙というか、異なる次元に存在するのですから、核戦争で地球が全滅しても根は残る。さすれば、何十億年先でも再び花が咲く、というわけです。
「日本昔話」とは、10万年以上昔からこの地に住む原始日本人・縄文人という、在来種純粋日本人によって、口伝・口承として語り伝えられてきた文学です。「古事記」や「日本書紀」どころではない。
気の遠くなるような昔からの情念・思念が、「うさぎや亀、キツネや狸」「おじいさんやおばあさん」「村人や殿様」「お地蔵さま」といった、その時代時代における「存在の形・姿」を借りて伝えられてきた「教え・学び」なのです。
その意味では、アメリカン・インディアンの叙事詩ともいえる「1万年の旅路」(ポーラ・アンダーウッド著)とよく似た(ノーベル文学賞なんて鼻くそにしか見えないほど偉大な)文学作品といえるでしょう。(「1万年の旅路」は完全な実話の語り伝え。)
○ 「日本昔話」とイエス・キリスト(新約聖書)
私はキリスト教徒ではありませんが、イエス・キリストという人は、2000年前、地球の反対側で「日本昔話の教え」と同じことをやった、と考えています。
イエス・キリストと同じような顔をしたパリサイ派猶太人という「狡くて、強欲で、嘘つき」たちと、頑なに一線を画すことで彼は天国へ行けた。 これが「聖書」の原義です。
そして、今まで何度も生きて死んでいった。これが「日本昔話」の原義。
何度も同じ人生を経験してきているから、イエス・キリストの言葉は濃い。そう私は思います。1回の人生だけでは、あれだけ真理を穿った言葉は出てこないでしょう。
他方、釈迦というのは「嘘も方便」という彼の生き方の原義からすると、1回しか人生をやっていない。彼の多くの言葉(お経)とは、当時、釈迦の周りに存在した数千人もの、「ホンマもんの修行者」たちの言葉なのです。 彼ら修行者たちは、確かに何度も彼らの人生を辿り、今も尚、それを繰り返しているようです。
パリサイ派猶太人ばかりか、ローマの総督ピラト(警察庁長官)からの、「悪に目を瞑れば生きて天国」という甘い誘惑を笑顔で無視し、進んで磔(はりつけ)となったイエス・キリスト。
故に彼は、自らの意志でパリサイ派猶太人という「非自然的・人工的」な存在と対照的である「大自然」の存在となり・嫉妬や強欲という不純物を排し、魂の純粋性を保持することで(死後の)天国行きを選択することができた。
「聖書」及び、それを題材にした在来種純粋日本人・芥川龍之介の小説「彷徨へる猶太人」(青空文庫)を読んで、私はそう感じました。
私自身はといえば、そこまで徹底することは不可能としても、やはり在来種純粋日本人として死にたいので、毎日、ネットで探し出した「日本昔話」を少しずつ読み、花咲かじいさんや、まんが日本昔ばなし「失せもの占い(いじわる爺さんの出てこない、在来種純粋日本人だけの社会)YouTube」の人たちの心持ちに、少しでも近づきたいと思っているわけです。
といっても、これはかなり難しい。
禅寺で「悟り」を啓くどころではない、という気がします。
雲水修行歴4年の私ですが。
2023年12月24日
V.1.1
2023年12月26日
V.1.2
平栗雅人
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