群れ

キザなRye

第1話

 世の中というものは男子は男子と、女子は女子と仲良くするように定められているように感じる。勝手に性別で線引きされて男子と仲良くしなさいと周りに言われているような気がしてならない。簡単に言えば同性同士の群れを作らされている様な気がするのだ。正直、同性同士で仲良くしなきゃいけないというその環境が私を生きづらくしている。

 私の周りにいる男子たちと私は自分の中では表面的な付き合いをしていると思っている。しかし彼らに自分をさらけ出すことは出来ていない。価値観が合わないというか、そういうことを日々感じさせられる。私の好きなことは一切興味が無いらしくて私の話をあまり聞いてはくれない。逆に彼らが話す内容は彼らの中ではとても面白い話らしくて私を置いてけぼりにして盛り上がってしまう。この年頃の男子たちはどうやら競馬とかパチンコとかそういうことに興味があるらしい。私はそういうこととは距離があるので話に入れるわけもなく疎外感を感じてしまう。

 私が他の男子とは性質が違うなと感じることは中学生のときからあった。昼休みに他の男子たちは皆で外に鬼ごっこをしにいくが、私だけは外に出ようとはしなかった。外に出て身体を動かすことがあまり好きではないので室内に居たかっただけなのだが、“普通”の男子とは違うのかなと思ったことは間違いなかった。男子なのだから男子と仲良くしなくちゃ、とは思わなくてもどこかで“孤独”を感じていた気がする。

 中学校や高校のときは“男子は男子と”という周りからの視線が少なかったような気がするが、高校卒業以降はなんだか強い圧を感じるようになった気がする。もしかすると自分から性別で線を引いていたのかもしれない。そんな周りの環境や自分の潜在的に埋め込まれたものによって自分とそんなに合わない相手でも仲良くしなくちゃいけないと思ったのかもしれない。

 特に距離を感じるのは性的な話をしているときである。四六時中話しているとまでは言わないが、よく耳にする話ではある。もしかすると単に私がそういう話が苦手なだけなのかもしれないが、その場に居たくないなとまで思ってしまう。男子だからとか女子だからとかいうことはないのかもしれないが、男子同士だからそういう話をしてもいいよねということが念頭に置かれた会話になっていると感じる。男子でもそういう話が嫌な人もいることを理解してもらいたいものである。しかもそれぞれの話をしたときに

蓮仁れんとはどうなの?」

と私に話を振ってくるので私がその会話に参加しなくちゃいけないような気がする。毎回毎回あの手この手でそういう話から逃げているが、いつまでこの手法が持つのかは分からない。こいつとはそういう話をするのを止めようと思ってくれたら嬉しいが、そう簡単にはいかないだろう。彼らはとにかくそういうことを話したいのだから。

 自分が絡む人次第では話す内容も大きく変わるだろうから話したくないことを話さなくて済むのかもしれないが、男子という生き物とは上手くやっていくのがとても難しいなと日々思わされる。まずは自分が性別を問わずに人と話が出来るように意識改革が必要な気がする。男子は男子としか仲良くしなくてはならないという環境が変わることを祈りたい。

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群れ キザなRye @yosukew1616

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