第5話 愛、時々晴れ

 それから、数カ月の時間が流れた。


 唯はいつも通りに明るく、妹の冬美が死んだのを気にしていない様子であった。


私はこんな日常の為に努力したのかと挫折した気分でいる。冬美の居ない世界がこんなにも辛いとは思わなかった。


 そう、この想いは冬美を求めていた。


 すると、突然、体が揺れる。空間も歪み、この世界が終わりを告げているのが感じられた。


 しばしの意識の切断の後、気づくとT大の施設の中であった。私はVRゴーグルを外すと隣に冬美が居た。


 そうだった、冬美と一緒にT大の施設見学に来ていたのだ。


「千真、大丈夫?うなされていたみたいだけど」

「あぁ、大丈夫だ」


 私は腕時計を見ると三十分ほどしか時間が流れていないのを確認する。


 平行宇宙とは時間の流れが違うのだなと思うのである。


 それから、ぼっーと、冬美の顔を眺めていると。


「私でいいの?自信ないけど。でも、日記帳にあった姉は醜い女よ」

「あぁ、解かっている。平行宇宙での数カ月間で理解した」


 私は長い道のりでの冬美への告白をした。


 この世界には唯は居ない。私は冬美と共に生きることを願ったのだ。

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青い鳥は君に微笑む 霜花 桔梗 @myosotis2

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