If√ 僕は二度と陽の光を浴びれない。~badend~

同棲していたアパートを出たあと~刹那視点~


「ふう、、さて、どうしよう。」


 家をでたもののこれから暮らしていくプランは特にない。なんの考えなしにでたのは僕と小雪との関係をを一刻も早く断ち切るため。僕がこれ以上小雪に頼りきりでは小雪のためにもよくない。小雪の言う通り僕はごみだ。小雪の近くに僕がいては小雪の人生を無駄にしてしまう。僕にはもう小雪への未練はない。これを機に小雪に関係するものはすべて置いてきた。


「ばいばい小雪、、、いや、もう小雪か」





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「うう、寒い」


季節は秋、夜はとても冷え込んでいる。お金もほとんどもってこなかったからホテルに泊まれないし漫画喫茶にも入れない。僕は仕方がなく暗い歩道を照らす電柱に腰を下ろした。


「はーー本当にどうしよう。親は頼れないし、小雪さんと付き合ってからは友達付き合いを厳しく制限されていたし家に泊めてもらうほどの関係値を築けている人はいないしなぁ」


身をかがめながらこれからのことについて考えていると誰かが声をかけてきた。


「大丈夫ですか?どこか具合が悪いんですか?」


「あ、い、いえ大丈夫です。ただちょっと泊まるところがないってだけなんで・・」


「ふーん。じゃあ私の家に行きましょう」


「・・・・え?」


「泊まるところがないんでしょう?ならひとまず今日は私の家に泊めてあげます。」


「え、いやでも悪いし・・」


「いいから、ほら、こっちきてください。」


「え!?あ、ちょ!」


僕は女性に手を引っ張られすぐ近くのアパートまで連れてこられた。





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「あの、お風呂ありがとうございました、、、。」


「いいえーお気になさらず」


女性は僕にお風呂と寝床を僕に用意してくれた。正直とても申し訳ない。


「じゃあここのお布団で寝てね。私はそこのソファで寝るから」


「え、あ、いや!僕は床でいいですよ!布団を譲ってもらうなんて申し訳ない」


「だめ!あなた疲れているでしょう?疲れてる人は布団でしっかりやすまなきゃダメなの!ほら、布団に入った入った」


「う、は、はい。ありがとうございます」


ずっと断り続けるのも相手に失礼だから僕は折れて結局僕が布団をいただく形になった。布団に横になった途端に瞼が重くなってきた。今日一日ずっと歩いていたせいだろう。そのまま僕は眠りについた




「・・・・・ん、んん」


「あ、起きた?おはよう」


「んあ、おはようございます」


「机に朝ごはん作ってあるから食べてね。昨日何も食べてないでしょ」


「…………ありがとうございます……いただきます」


こんなに人に優しくされたのは久しぶりだ。そう思うと自然に涙がこぼれてきた


「ちょっと急に泣き出してどうしたのよ。その様子じゃなにか事情があるんでしょ?話してみなさい。」


この人にならこれまでの事情を話してもいいかもしれない。


温かいお布団で寝て温かい朝ご飯を食べて身も心も癒やされた僕はこの人になら事情を話してもいいかもしれない。そんなことを思っていた。僕はこれまでのことを話した。同棲中の彼女がいたこと、彼女から常日頃からDVを受けていたこと、そして先日別れてここまで歩いてきたこと。


「でもDVを受けていたのは僕の存在が彼女のストレスになっていたせいなんです。別に今さら戻りたいなんて思ってません。彼女にとっても僕はいないほうが彼女の幸せにつながるんですから」


「それ本気でいってるの?」


「・・・・え?」


「本当に自分が100%悪いと思ってんのって話」


「はい、もちろ――—―——」


ぎゅっ


「・・・え?」


「あなたは悪くないよ。・・・ぎゅーってしてあげる」


「・・・・・・・・・・・・・・」


あたたかい。体温が移ってくるから体があたたかいのはもちろんなんだか心まで温かくなった


「ありがとう」


気づいたら僕はそんなことを言っていた。




・・・・・・・・・・・・・・・・


「ところで君、これから住むところとか考えてるかい?」


「いえ、まだ決まってないです。ああ、大丈夫です。すぐにおいとましますので迷惑は掛からないようにします」


「ふーん。出ていかなくていいよ。君、私の家に住みこみで働かない?もちろんお小遣いもだすよ!」


「え?い、いいんですか?でもそれじゃ迷惑が」


「いやいやもちろんただでとは言わないよ。しっかり家の家事をやってもらうさ。衣食住を提供するのはその対価としてだよ」


「・・・・・・本当にいいんですか?簡単に男を家に上げるうえに一緒に住むなんて少し言い方が悪いんですけど不用心じゃないですか?」


「大丈夫。君はそんなことする奴じゃないってわかってたから。なに?それとも君はやっちゃう系の輩なのかい?」


「いや!そんなことは絶対にありません!!・・・・・・・じゃあ、お言葉に甘えさせてもらってもいいですか?」


「うん!ありがとう!よろしくね!あ、名前を聞いてなかったね君名前は?私は三島柚葉みしまゆずは!」


「中井刹那です」


「そっかかっこいい名前だね!よろしくね刹那君!」


「は、はいよろしくお願いします。三島・・さん?」


「はいアウトーーー。三島さんじゃだめですぅー。柚葉ってよんで!」


「うう、わかりました・・ゆ、柚葉さん」


「別にさんとかいらないんだけどなーーーまあいっか最初だし!」




こうして僕は柚葉さんの家に住み込みで居候させてもらうことになった。

それから数日、数週間、数か月と彼女と過ごすにつれて僕の中で柚葉さんの存在が大きくなりいつしか彼女をただの恩人として見ることができなくなっていた。柚葉さんは小柄だがお姉さん気質で茶髪ボブで童顔で美女というより美少女といった感じだ。魅力に満ち溢れている彼女と生活していて好きにならないわけがない。


そして僕は玉砕覚悟で彼女に告白する。


「柚葉さん。好きです。一人の男としてあなたを愛したいです。」


「・・・・ふふ、まってたよその言葉。私も愛してるよ


元カノと別れて数か月、彼女との住み込みでの居候は恋人との同棲に変わった




・・・・・・・・・・・・・・




最近僕のイラストレーターとしての芽がでてきた。少額ではあるものの案件もやってくるようになった。


「よかったね刹那!おめでとう!愛してるよ!」


「ありがとう柚葉、僕も愛してるよ」




僕はこのままこの幸せを噛みしめて生きていこう。そう思っていた。この時は。



















~彼女視点~


ははは、あっははははははははは!!


「見つけた・・・・・・やっと見つけたよぉ刹那せつなあぁ!!」


やっとだ、長かった、、、、、、


あの日、会社を無断早退したあの日私は打ちひしがれていた。刹那とのかかわりを刹那のほうから否定されたショックで私はあれてしまった。家の家具を手元にあった物でほとんど半壊にしてしまった。しかし半壊のクローゼットから彼のシャツがでてきてその匂いが鼻腔をかすめた。


「すぅぅぅぅぅぅーーーーーーーーーーはぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーー!!!」


刹那の匂いだ、、まだ彼の衣服が残っていたんだ


「うう刹那、、せつなぁ大好きだよ愛してるよぉ」


刹那の服を乱暴に顔に押し付け下半身に手をのばす


「大好き刹那大好き愛してる・・・ん、ぺろっちゅうううう」


私は重症だ。彼の服の匂いを嗅ぎ興奮し、我慢が聞かなくなり彼の服を吸う始末。私はこんなにも彼を愛している。だから、「


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




「ふふふ、本当に長かったなぁ。・・・もう駄目じゃないか私以外の女にするなんて」



まあどうせすぐに刹那は私のもとに戻ってくる。そんな偽物の愛に騙されているけど結局は真実の愛に勝てるものなんていないのよ



「待っててね刹那♡」



私はここ数か月動かしていなかった表情筋を緩め破顔していた













ピンポーン・・・・ピーンポーン



「あーーごめん柚葉こっち今手が離せないから代わりに玄関でてくれる?」


「いいよーーちゅっ」


「!!不意打ちはずるいよ」


「へへ」


彼女が可愛くて仕方がない。柚葉と付き合ってから柚葉はお姉さんから甘えんぼになっていた。そんな愛おしい彼女と一緒にいるだけで毎日が楽しい。






しかし何事にも終わりは突然来る






「はーいどなたで―—―—」


ぐさっ


「・・・・・・え?」


「ばいばいごみくそ女♡」


一瞬何が起こったか分からなかった。が、僕は考えるより先に動いていた


「ゆ、ゆずはーーーーーー!!」


「ああ、君もちょっと静かにしてね。」


「うっ!!」



いやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだ柚葉お願いだ死なないで・・・


スタンガンで意識を失っていく過程で僕は柚葉のことしか頭になかった









・・・・・・・・・・・・・・・・・・

じゃらっじゃら


「う、うう」


「あ?目が覚めた?おはよう刹那♡」


「は、え?こ、小雪?というか・・これは何?鎖?は!そうだ柚葉!」


「もう寝起き元気だなーーーまあそういう刹那も可愛い大好き♡」


「おい!小雪!早くこの鎖を解け!柚葉を早く病院に!」


「ん?もう手遅れだよ?ちゃんとみぞおち入ったしそれにちゃんと息の根が止まってるの確認したから」


「・・・・・・・・・え?・・・・・・・うそだ」


「私が君に嘘なんてついたことないよ。それにもうあのゴミのことは忘れて私のことを見てよ。前はちょっと喧嘩して疎遠みたいな感じになっちゃったけど今度は―—」


うそだうそだ柚葉がし、死んだ?・・・・・・・・・・こいつが?目の前のこいつが殺したのか?・・・・・・・・・嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ・・・・・・・・・・ぼくのせいか。僕がかわりに玄関にいかせたから、ぼくのせいで柚葉は、、、、、、死、、!!!


「うっお、おえええええええええええええ」


僕が柚葉を殺したその事実に胃の中がひっくりかえった


「あーらら吐いちゃった。まあいいよーこれからは私があなたの身の回りのお世話をするからね♡」






もう何も考えることができない。柚葉がいなくなったこの世界になんの希望ももてない。










僕の頭の中で何かが弾ける音がした





「ふふ、これから君はこの部屋で一生私とくらすんだよぉふふ。君の身の回りのお世話は私がぜぇーーんぶやってあげるからね♡もちろん気持ちいいこともね♡」





未来永劫輪廻転生しても愛してるよ♡だ・ん・な・さ・ま♡





badend fin

















余談


最近皆様からの星評価が多くてとてもモチベーションに繋がってます!よければ星評価、コメントのほど待ってます!コメントでこんなIFルートがあったらなと希望があればぜひリクエストください!もしかしたらこの作品に盛り込むかもしれません!



まだ作品は続くよ!

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DV彼女と別れる決心をした僕と後悔する元カノ みつき @ALBA_Michael

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