離したくない。離れてほしくない
「ハァっハァっ」
メールに既読がつき、私は会社を無断早退した。私は全力で走り、息も絶え絶えになりながらもまだ走り続けた。これも全て刹那に謝りたい刹那に罪滅ぼしをさせてほしい。それになにより、刹那を抱きしめたい。そんな想いがあるからだ
「ハァっハァ」
あともう少し、あと少しで刹那を迎えられる。
「刹那!!」
私は家の扉を思い切り開けた。
靴を乱暴に投げ私はリビングの扉を開ける。するとそこには・・・・
「・・・・・・え?」
もぬけの殻、、、というわけではなく、机の上に家のカギと一つの封筒があった。
「これって・・・お金?それにこれは・・手紙?」
私はおもむろに手紙を広げた
小雪さんへ
小雪さんと付き合っていたこの六年間、僕はとても幸せでした。
家出をして心配をかけたことは謝ります。すみませんでした。
だけどこれからは心配しなくても大丈夫です。僕はいま新しいところで元気に過ごせています。なので小雪さんは僕のことは忘れて前に言っていた上司の方と幸せになって下さい。こんな不甲斐ない僕を六年間そばにいてくれた小雪さんはとても優しいからきっとすぐに新しい愛を育めるはずです。
最後に
僕みたいなゴミニートを養ってくれてありがとう。今まで僕に使ってくれたお金とこの家の鍵を返します。
お元気で
「あ、ああ、ああああああああああああ!!」
手紙を読み終えた私は膝から崩れ落ちてしまった。
「わ、わだしが・・・わだしが悪いんだ」
わたしが君に暴力を振るったから。私が君に冷たくしていたから。君のことなんて考えずに私は自己中なふるまいをしていたから。私は見限られた。
「いやだ、いやだよ別れたくないいいいい」
別れたくない別れたくない別れたくない別れたくない別れたくない別れたくない別れたくない別れたくない別れたくない別れたくない別れたくない別れたくない別れたくない別れたくない別れたくない別れたくない別れたくない別れたくない別れたくない別れたくない別れたくない別れたくない別れたくない別れたくない別れたくない別れたくない別れたくない別れたくない別れたくない別れたくない別れたくない別れたくない別れたくない別れたくない別れたくない別れたくない別れたくない別れたくない別れたくない別れたくない別れたくない別れたくない別れたくない別れたくない別れたくない別れたくない別れたくない別れたくない別れたくない別れたくない別れたくない別れたくない別れたくない別れたくない別れたくない別れたくない別れたくない別れたくない別れたくない別れたくない
「大好きだよぉ、、君が、だいすきなんだよ。私は君がいなきゃいきていけないんだよ、、、」
もう彼には私なんて必要ない。彼は私を必要としていない。
いやだ
いやだいやだいやだいやだいやだ
私が彼と別れる?彼が私から離れる?
彼の愛情は私にはもうむけられない。私が彼を愛してあげることもできない。
「・・・・・認めるわけないじゃん」
私の中からなにかが欠落していくのがわかった。
「逃がすわけないじゃん」
そう呟いた彼女の瞳はとても濁っていた
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます