だらぶつ親父にさよならを
はなぶさ利洋
三言居士の生き様
「
いつもこの三言がついて回っていた子供時代。主にそう呼ぶのは
背丈は百八十をゆうに超え、体重も九十前後。恵まれた体格に優れた地頭を併せ持ち、地元富山県で開業歯科医として同郷の患者を多数診てきた。愛煙家でもあり料理や草野球、競馬にアメフトにプロ野球等スポーツ観戦が大好き。男性アーティストなら山下達郎、女性アーティストなら荒井姓だった頃のユーミンが好きだった親父。……松任谷姓になってからも、ユーミンがまあ好きだった親父。
私の過去を大きく塞いで且つ今もなお聳え立つ。良くも悪くも実の親父の存在は確かにでかかった。
そんな至って溌剌そのものの親父が突然この世を去る事になるとは、この私・はなぶさ利洋の目をもってしても実父の寿命を読めなかった。
アラサーで3コ上の姉でさえも。
親父とは共同経営者でもあった母でさえも。
ついこの間九十歳の節目を迎えたばかりな祖母でさえも。
かくも青天の霹靂たるや、かくもあっけない最期を誰も夢想だにしなかった。
おそらくは、親父本人もまさかこんなにも早く旅立つ羽目になるとは思いもよらなかっただろう。
享年六十一歳。それが、実父の駆け抜けた生涯の全て。
令和五年十一月五日、十六時十三分。心不全にてご臨終。四十九日は同年の十二月二十三日で、この日は奇しくも親父が無事に迎えるはずであった正真正銘六十一回目の誕生日・十二月二十二日の翌日にあたる。
カレンダーを確認して初めてその事実を思い知る。洒落がかった性格な親父にしてみても誂え向きではあるな、と私は笑いながらコレを書き上げていた。
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