特別な手紙

自室にて、カルロは友人達へ渡すクリスマスカードを手作りしていた。

色とりどりの画用紙と、鉛筆。ハサミやノリが置かれた机の上。そこにはできたばかりのクリスマスカード達が積み重ねられている。

開くと中からクリスマスツリーが飛び出てくる仕掛けだ。

あとは最後の仕上げ。

カルロはツリーの下にあるプレゼントの部分をめくると、そこにそれぞれ一言ずつ書き連ねていった。彼女から贈るメッセージだ。

その内の二枚は一層心をこめて書いた。彼女にとってとても大切な人達だから。

「できたっ!」

最後の一枚を書き終えた彼女は椅子に寄りかかり、息をつく。

「みんな驚いてくれるかな」

そう呟いた彼女は一人微笑んだ。

同時にノックの音がする。きっとヴァレッタだろう。

「どうぞ」

「失礼します、カルロ様」

入ってきたのはお盆を手にした彼女だった。

「寒いので、紅茶をお持ちしました」

「ありがとう」

カルロは笑顔で礼を言った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

聖夜の小さな物語 チェンカ☆1159 @chenka1159

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ