歌うための協力要請

クリスマスまであと少し。ティーナは胸を弾ませる。

「楽しそうだねティーナ。そんなにクリスマスが待ち遠しいのかい?」

そう尋ねてきたイルディオに向かって、彼女は目を輝かせて答えた。

「当然よ。クリスマスキャロルをパーティーで披露して、みんなをびっくりさせるんだから!」

「それは良いアイデアだね。応援してるよ」

その言葉にティーナは怪訝な顔をする。

「イルディオも協力するのよ?」

「えっ?」

「アンタにはボタンを押すと曲が流れる道具を作って欲しいの」

「それはまた面白そうだけど、ボクにできるかなぁ?」

「できるわよ。クリスマスに使うからそれまでにお願いね」

「そんな無茶な」

明らかに困った顔をするイルディオに、ティーナは笑って言う。

「大丈夫よ。アタシも手伝うし、お礼はちゃんとするわ」

「じゃあ前払いで歌ってくれないかい?」

今度はティーナが困る番だった。

「……まだ練習中だから一曲だけね」

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