二人で美味しく

少しだけ暖かなキッチンにて、リリアとリルカはクリスマスに向けてケーキの試作をしていた。

リルカはクリームを混ぜていた手を止め、リリアに尋ねる。

「固さはこんなものかしら。どう?」

「良いと思うよ」

「味はどうかしら」

「どれどれ――うん、甘さも良い感じだよ!」

クリームを味見したリリアは笑顔でリルカに言った。

「じゃあ早速クリームを絞っていきましょう」

「私はイチゴを飾るね」

二人で分担しながら作っているのはブッシュ・ド・ノエル。丸太を模しているのが最大の特徴で、クリスマスを代表するケーキの一つだ。

粉糖の入った容器を手にしながらリリアが言う。

「最後に雪に見立てた粉糖をかけて――できあがり!」

「とても簡単で驚いたわ。クリスマスケーキを手作りするのも良いわね」

「でしょう?作るのも楽しいし」

「そうね。これなら当日もきっと上手くできるわ」

会話を終えた二人は顔を見合わせ微笑んだ。

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