第15話 イフリート、対談、
中に通されるとデカいメスのオーガがいた。
そいつに案内されて俺たちはちゃぶ台を挟んで座っていた。
(ダンジョン攻略してるんだよな?俺たち!こんなのでいいのか?!)
そう思っていたらオーガが話しかけてきた。
「まずは話を聞いてやるオガ。何しに来たオガ?」
(変な語尾イフねぇ)
語尾のことより本題を切り出そう。
「噴火を止めて欲しいんですわ」
「あー、噴火ねぇ。それが無理オガねぇ。だから噴火させるしかないオガ」
俺はスマホを取りだしてインラーンに電話した。
「今ダンジョン最深部でボスと話してるんだけど噴火止まんないらしいぞ?どうしたらいい?」
「え?ほんとに?じゃあ私分かんない。王様に聞いてみる」
俺は通話を切った。
「どうにかならないのか?」
「無理。噴火させるしかないオガ。でも噴火させる方向なら変えることが出来るかもしれないオガ」
「そのパターンでお願いできないか?」
そう言うと腕を組んだオーガ。
「私がお前の言うこと聞く必要がどこにあるオガ?それに私は魔王様の命でここにいる。人間どもが勝手に噴火の方向を変えないようにオガ」
そこでオーガは言った。
「このダンジョンのどこかに私の宝物があるんだけど、それをどこに隠したか忘れてしまったオガ。見つけてくれたら話は聞くオガ」
そう言われて俺はさっき回収した【魔王様からの手紙】を見せてみた。
「これのことか?」
「そうオガ。よくやってくれたオガ!」
大事なもんをなんであんなところに置いてたんだって思うけど。
機嫌を損ねるようなことを言うのはやめよう。
手紙を読んでいたオーガの手が震え始めた。
「オガァァ……」
なんか怒ってる?
すくっ。
立ち上がるオーガ。
「人間着いてくるオガ。クソ魔王に向けて噴火をぶっぱなすオガ」
(お前魔王様の部下じゃないのか?)
そう思いながら俺たちはこの部屋から出ていくことになった。
そして右側のマグマを指さすオーガ。
そっちの方にはさっきは気付かなかったけど、小さな小島があって、レバーが設置されてた。
「あのレバーを倒すと噴火の方向を無理やり変えることができるオガ」
「どうやってあんなの倒すんだ?」
「そりゃ、あそこまで歩いていくに決まってるオガ」
ちゃぷん。
マグマの中に入ったオーガ。
それからオーガは反対側のマグマを指さした。
「向こうにも同じのあるオガ。同時に倒すオガ」
「誰が行くんだ?」
俺たちは顔を見合せた。
オーガは部下オーガを見て言った。
「お前行くオガ」
「無理ですよ!こんなの!」
そう言いながらもマグマに足を入れたがスグ引っ込めてしまった。
「あっちぃって!死ぬって!」
「貧相な奴オガ」
だがオーガの足は火傷していた。
本当に熱いらしいが。
「俺が行くよ」
「ほ、ほんとに?」
レイが聞いてきたが、即死することはないのが部下オーガのお陰で分かった。
チャプン。
指の先をマグマに入れてみた。
「なんだ、ぬるま湯じゃないか」
「ぬるま湯っ?!」
叫んだレイ。
俺は服を脱いでレイに渡した。
俺にとってはぬるま湯くらいに感じたが服は多分燃える。
「このマグマをぬるま湯だなんて。人間、なかなかやるオガねぇ。気に入ったオガ」
「ありがとよ」
俺はそのままマグマに入って歩いていった。
レバーのところまでたどり着くとオーガが言ってきた。
「せーので魔王城の方に引くオガ」
「分かった!」
「「せーのっ!」」
俺とオーガはタイミングを合わせてレバーを引いた。
ガコン!
なにかが倒れた音が聞こえた。
「これで終わりオガ」
再びオーガは通路に戻ってきていたので俺もマグマを歩いて帰ってきた。
いやぁ、しかしマグマを全裸で歩いた日本人なんて俺が初めてじゃないか?
はははっ。
体についたマグマを払い落としてからレイから服を受け取った。
「だ、大丈夫なんですか?」
「なにが?」
「いや、マグマ」
「ぬるま湯だったよ。特になんともない。分かりましたか?これが筋肉魔法です」
ソローっと指を近付けるレイだったけど一定以上そもそも近付けてない。
オーガが話しかけてきた。
「これで噴火する時は魔王城に向かって噴火するオガ」
「ところでなにが書いてあったんだ?あの手紙」
「ここの警備の給料はもう振り込んでないって書いてあったオガ」
「うわっ……」
ご愁傷さま。
そりゃキレるよな。
俺はその後オーガと二言くらい会話してから別れることになった。
で、その前にオーガからの注意が一言。
「すまんオガ。この火山が噴火したらきっと近くの村にも少しくらい岩石が飛んだりすると思うオガ。避難するかどうにかして欲しいオガ」
それから
「ちっと待ってろオガ」
そう言ってオーガは部屋に戻ってすぐに出たきた。
手に袋を持ってた。
「土産オガ」
「なにこれ」
「オーガ特性の巨乳薬オガ。飲めばたちまち貴方も巨乳に?!」
「ありがとうございます!オーガさん!」
マナが真っ先に受け取っていた。
まぁ俺には必要のないものだからどうでもいいけど。
「このことは内密にお願いします。私が急に巨乳になるとみんな困惑しそうですから」
俺にそう言ってきたマナだった。
で、帰りながら俺はマナに聞いた。
「それで、これから避難でもするのか?」
「勇者は逃げません。岩石がなんですかそんなもの跳ね返しますよ。勇者ビームで!」
なんだ、そのビームは。
そう思いながら俺は言った。
「んじゃ俺もいっちょ筋肉ビームでも見せてやりますか」
「ちょー見たい!筋肉ビーム!」
言っといてなんだが俺が1番筋肉ビームがなんなのか分かってない件。
異世界でも社会不適合者の俺だけど女の子助けたら貴族に気に入られて勇者パーティの女の子全員(巨乳)に愛されだしたんだけど、俺なんかやった? にこん @nicon
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