死刑囚・莉愛の明るく軽妙な性格と、刑務官・真司の真面目で規律を重んじる態度の対比が鮮明です。このギャップが、二人のやりとりを印象深くしています。
特に莉愛は、死刑囚でありながらも天真爛漫な言動を見せることで、読者に「彼女は本当に極悪人なのか?」と考えさせるような複雑な魅力を持っています。
刑務官と死刑囚という立場を超えた禁断の恋を楽しむだけの物語だと思っていたらそれは思い違いで、「死刑囚は、本当に更生の余地がないのか?」「人間は罪を償うべきなのか?」といった倫理的な問題が暗に描かれていました。
1万文字程度の短い物語ながら、色々な要素の詰め込まれた作品だと思いました。