ある家と家族写真にまつわる話

 とりあえず第二章まで読了。三章以降は完結したら読もうかな。

 文章に関しては読みやすさを意識してくれているようで、かなり読みやすかった。ガッツリとしたホラーは純文に傾倒しやすくて文章が硬くなりがちだが、この作品はある程度短めの文章で区切ってあり、尚且つ空気感も損なっていないので、ありがたい。(まあ、その分ホラーをガッツリ楽しみたい人には少々物足りないのかもしれないが)

 内容については、ホラーというジャンルは完結した一本の小説として見ないと、評価は難しいと思うのだが、こちらは章ごとというかエピソードごとにしっかりと落ちをつけるように書かれているため、期待を込めて途中評価でも書いておく。

 親の介護や無軌道な子供、回想における生活のリアリティなどは見習う必要があると思えた。その上でホラー作品として成立させているのはよく出来ていると感じる。
 第二章時点では「何かよくわからないが不穏で奇妙な家」という印象が強く、他の要素とのつながりがなかなか見えてこないが、この作者であればきっとうまく要素を繋げてくれるだろう。