第34話 エピローグ(札幌民主自由国記)【最終回】
エピローグ(札幌民主自由国記)
その後、連合国による軍事裁判が札幌でも開かれた。いつどのようにどんなやりとりが行われたのかその詳細は一切公式資料が残されていない。
戦後、一冊の日記が発見された。『札幌民主自由国記』と記されたその日記は大首領『矢矧須津香』の日記であった。
札幌民主自由国の成り立ち、そこに生きた人間の生き様、それらの全てがこの一冊の日記に込められていた。
矢矧須津香たち札幌民主自由国政府の主要人物・政府高官たちは、戦犯ではなく混乱を招いた罪人としてその全てが絞首刑に処された。
『札幌民主自由国記』は矢矧須津香のせめてもの抵抗だったのかもしれない。
しかしながら、この日記は米軍に接収された上で機密文書扱いにされ公表されることは無かった。
民衆は伝承として密かに語り継いでいった。
札幌民主自由国は名を隠しながら民話として残ったのである。(了)
分割版【札幌民主自由国記】 どら焼きパンケーキ中佐 @kotobukinatsuodorayaki
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