それは青に②

 起源は水にあると思っている。



 雨や海などを含む、水の音そのものや水をテーマにした音楽は特に、私の心を落ち着かせてくれる。

 実際に、それらの音は周波数に傾向があるらしい。現代音楽の世界でも、ヒーリングミュージックのカテゴリーで扱われることもある。よって同じことを考えるのは、私だけではないようだ。学術的に証明されている書物も本格的に探せばたくさん見つかるだろう。学生時代に、少しだけ分析の真似事をしてみたことはあるが、自身の結論は導き出せていない。



 雨が降った日には、勝手にメロディが浮かぶが、

そのまま雨に溶け流れていくので、

雨上がりには忘れている。



 湯船に浸かっている時は、あえて波を作ってみたりするが、

反響しながら細かく音が散っていく感じも、

また良い。



 水をただコップに注ぐ時でさえ、

それがただの水道水であっても、

ペットボトルの天然水であっても、

水の流れを自然と目で追い、音を聴いている。



 こんなにも身近にあるけれど、

こんなにも詳しいことを知らない。

とても不思議な存在である。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

起源 青海空羽 @aomiku

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ