第4話 違和感
REX「爆音で鳴らせ!!!5秒前!!!!」
4!!
3!!!
2!!!!
START!!!!!!!
「ドゥルルルルルルルル!!!!!」
ベル「ったく!相変わらずSTARTがミニガンの銃声とか派手すぎなんだよ!」
ルカ「よそ見してていいの?先いくよ!」
ベル「あぁ行かせねーよ!!」
ド派手なミニガンの銃声を合図に今日の参加者10人が走り出した。
(バイソン):名前の割に身長がちっちゃくカメレオンのような緑のパーカーを着た蛇舌の奴
(レオ):グラサンをかけてる虎耳ツインテール、ニーハイカラーを日替わりにしている奴
(ラプター):見た目はほぼ恐竜のベロキラプトル、彼女から貰ったハート型のセーターを着ている奴
(雷雷):真っピンクに水色の水玉模様のスーツを着た鷲頭、自分ではイケてると思ってる奴
(サップ):基本上裸、下半身はタコ足、吸盤一つ一つがスピーカーになっていてたまにDJをしている奴
(Viper):ただのメンヘラ、いつも顔にパンダの被り物をしていて素顔は誰も見た事は無い、量産型ぽい服装の奴
(シド):2足歩行の象だか動きが素早い、柄シャツを愛用、目に傷跡がありいつも葉巻を吸ってるダンディーな奴
(佐藤新人Vtuber(同接日本9位)):Vtuberでも日本9位でも何でも無いただの黒豹のおっさん、ミリタリー服を羽織っていても三段腹が見える奴
そして俺とルカ。
ラプター「この体じゃ壁登んのキツイんだっての!」
レオ「バーカ!笑いつも言ってるじゃない!補う装備か技術を身につけなさいって」
ラプター「俺の装備はこのセーターだけ!!あぁレアナーーーー!!!好きだーーー!」
サップ「まーーったやってんのかよ!ったくラプターのやつに彼女がいてなんで俺にはいねんだよぉー!!」
雷雷「君はまずその見た目を変えた方がいいかもね、ちなみに私は心に決めた最愛の妻が、」
サップ「だぁぁーー!かっこいいだろーが!最高にイかすだろーが!てか結婚してたのかよ!?くそーーー!!」
後続が騒がしいな、いつもの事か。
この練習コース4番は建物の壁が崩れやすく設定されている、つまり最小限の力を最短で触れ、掴みながら移動する必要がある。
ちなみにアイテムは設定されていない、これは自力を鍛えるためのレースだからだ。
ルカが先行する、新しい装備使ってるな。
あの皮の手袋、何かある。
先頭集団が一軒家やビル等の建物の上を飛び移ったり張り付いたり風を切る轟音が聞こえてくるくらいに走りさっていく。
観客(場外ギャンブラー達)
「いやぁ、いつ見ても早い早い!
後続は相変わらずですな笑
1.2.3着、どの順番にするか、そそるねぇ!
今日はルカの奴はやいな!
バイソンも少しづつだが追い上げてるぞ!
佐藤は、、、無理か笑笑」
ルカ「ハァッ、!ハァ、、ハァ、!!」
ベル「ルカ!息が上がってきてるんじゃねぇか?!追いついちまうぞ!」
くそ、くそ今日こそベルさんに勝つんだ!
ベルさんは早くて強い、だけど!
俺はベルさんに勝って本線に出たい、、!
ルカの奴、いつになく本気だな。息切れ起こすなんてらしくないぜ。でもな、
ベル「FLY!HIGH!世界2位は伊達じゃないぜ!!」
トップのルカを上から背面ジャンプで追い越す。すれ違いざまに目が合う。一瞬時が止まったかのように。
ルカ「っな!どんな動きすか笑💦」
先頭が変わりベルが一気に引きちぎろうと更にスピードを上げて走り出す。音も景色もすら置き去りにしようと。
REX「ゴーーーーーーーール!!!!やはり1位はこの男ベルーーーーーーー!!!!!」
観客👏👏👏👏👏
REX「続いて続々とゴーールだぁぁ!!!2位ルカ!!!3位バイソン!!ほら!走れ!そんなもんか!貧弱共!」
観客(場外ギャンブラー達)
「やれやれ、外しましたな、
くそーー!もっと頑張れお前ら!!
ルカが1位とれそうだったぞ!
いや、ベルは息切れすらしてねぇ
予想は2.3位で考えなきゃな」
Viper「ハア、ハァ、ハァ、ハァ、、早すぎ、、ハァ、ベルくん、、」
ベル「どーしたViper笑そんなんじゃ俺とのデートは出来ねーぞ」
Viper「ハァ、、かっこいぃベルくん、、絶対1位になってデートするんだから!365日24時間愛してもらうんだから、!」
ったく、Viperはレースで俺を見て好きになったらしく俺のオフの時何をしてるか調べ回ってここまでたどり着いた女だ。このカスタムで俺に1度でも勝ったらデートをする約束をしている。まぁその日は永遠に来ないが笑そもそも全然話したことがない異性からいきなり好きと言われてもだ、だが一緒に走る仲間がいるのはいい事だ。そういう意味では
もう大事な仲間だと思っている。
ルカ「っくそ!、ハァ、ハァ、、やっぱり早いね、。」
ベル「ルカ、だいぶ早くなったな!
でも息切れしてるようじゃまだまだだな笑
ここは OASIS なんだぜ?
なりたい、やりたいが叶う場所、つまりはイメージが大事だ。お前は頭のどこかで走って疲れた現実世界の自分を無意識にイメージしちまってるのさ。俺はそんな事微塵も考えちゃいねぇ、真っ平らな壁も掴める、どんな距離も飛び越えられる、足ももっと早くなる、全てはイメージさ。」
ルカ「やっぱり叶わないや笑」
REX「何休んでんだ野郎共!!!2週目行くぞぉぉ!!!さっさと準備しろぉ!!!!」
その後皆ヘトヘトでボロボロで砂まみれの泥まみれになりながら何周も何周もレースを続けさせられた。
0:30
バイソン「お疲れ~🐍」
シド「おうっ、お疲れさん」
Viper「ベルくんまたね!❤」
皆それぞれ今日のカスタムが終わり解散していく。
佐藤新人Vtuber(同接日本9位)
「ベルくんお疲れ様、今日も早かったね!また挑戦するよ!」
ベル「おうっ!お疲れ様、佐藤さんも絶対もっと早くなるからがんばろっ!」
皆各々解散してガレージハウスにはベルとREXの2人きりになった。
レザーフェイスのような黄色いエプロンにドレッドヘアの渋い髭面がREXだ。
ベル「なぁ、今日のルカいつにも増して本気だったな」
REX「そりゃおめぇこのカスタムマッチですらベルに勝てねぇよーじゃ本線に出ても通用しねぇってこった。」
ベル「!!あいつ本線出るつもりなのか!」
REX「嬉しそうじゃねぇか、だがなFLY!HIGH!はそう甘くねぇ、まぁ精進するってこった!」
いつか、ルカと本線で戦う日が来るかもな、それはそれで楽しみに取っておこう!
、、、、、、
ベル「、、なぁ、」
REX「どぉしたぁ!?」
、、、、、
ベル「いや、何でもねぇ、!喫茶ボルトナットって店知ってるか?」
REX「おう、この近くだぜ、もし行こうとしてんならやめときな、あそこは根暗の巣窟だぜ?」
ベル「ふーーーん、、まいーや、今日のレースのアーカイブまとめて後で送っといてくれるか?あとタイムログと、それからフィードバックも頼む!グローブのメンテもしておいてほしい、粘着レベル2を試してみたい」
REX「あいよっ!」
その後REXと別れてからメカニックフロアの街中を歩いた。
鉄を打つ音、機会の回る音、煙突からの煙、俺はこの街が好きだ。
0:55
覚悟を決めた。
聞くだけ聞いてもし聞くに値しないと思ったらすぐに帰ろう。
重たい鉄の扉を静かに開けると入口に沢山ぶら下がった釘がチャイムの代わりにジャラジャラと鳴った。
店の奥から店員さんが出てきていらっしゃい!と声をかけてくれた。待ち合わせなんだけど、というとさらに薄暗い階段を降りた個室を案内してくれた。カフェオレ砂糖大量を注文して個室の扉を開けると、
背中にカタツムリの甲羅、紫と黒のシマシマのスウェット、手から触手のようなものが4本、ボサボサの髪の毛の中からギョロっとした目が2つこっちを見ていた。まるでカタツムリの化け物だなこりゃ。
バグ「あー先輩、来てくれたんですね?あ、先輩じゃなくてこっちだとベルさんとお呼びした方が良いでしょうか?」
ベル「お前か、じゃーベルで呼んでくれ。そっちは?」
バグ「はい、バグ、と呼んでください。」
バグは不気味な笑いを浮かべてこっちを見ている。
バグ「昔から虫とかクリーチャーが好きでずっとなりたいと思っていたんです笑
中々いいでしょ?」
ベル「うぅ、、それより本題を話してくれ。俺の敗因とは一体何なんだ。」
その答えを彼女は知っているのか?
バグ「ではまず、こちらの映像をご覧下さい。」
そう言うと個室のモニターに映像が流れた。どれもこれもゴール直前や妨害等で敗北した俺の映像ばかりだった。
ベル「何が言いたい?!」
バグ「気づきませんか?」
?????
バグ「1ヶ月に1度の第3金曜日に国家対抗戦のCastleFlagが行われていますよね?」
ベル「それがどうした!?」
バグ「CastleFlagとは様々な OASIS 内のGameで上位ランキングに位置しているプレイヤーを各国ごとに1チーム8人選出し結成された精鋭達で城にある旗を取り合う銃撃戦の事です。」
そんな事は分かっている、俺も日本代表で出いるからな!
バグ「よく見てください、ベルさんがレース中に妨害行為を受けた相手を。」
???
!!!!!!!
バグ「気づきましたか?そうです、アメリカ代表の選手達ばかりです。つい先日のランス選手も別Gameでトッププレイヤー、アメリカ代表の1人です。つまり何が言いたいかというとベルさん、貴方の相手はJOKER1人ではないということです。」
?!?!?!?!
FLY!HIGH! @Helvetica24
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