第3話 バタフライエフェクト

直人「どーいうことだ、!」


光「そのままですよ、先輩。

貴方はこのままレースを続けても1位には決してなれません。」


何を言ってるんだこいつは、、!?


夏「ちょっと!いきなり話しかけてきて何?!直人くんの努力も知らないで!もういいよ、行こうよ直人くん💦」


直人「今回はギリギリ1位を逃した。確実に近づいてる。俺の何を知ってるっていうんだ!?俺は必ず勝つ!」


そうだろ、そうやってずっと挑み続けてきた!何を言ってるか分からないが勝つまで俺は諦めない!


光「ここで話すのもなんですし。もし私の話を聞く気になったら今日夜1時からメカニックフロアの喫茶ボルトナットで待ってます、それでは。」


そう言って彼女は去っていった。

俺が1位には決してなれない、?!

どうして、

敗因を知ってると言っていた、

俺の敗因は自分でもよく分かってる、ゴール間際でランスの接近を許した。JOKERにはパルクールでも負けてる。何を選択するべきか、自分で自分の敗因を客観視し、改善をしてきたつもりだ。そしてそれはこれからも変わらない。だいたいレースに出てもいなさそうな奴から貰うアドバイスなんて無いだろ。


夏「直人くん、、どーするの?」


直人「ん?あぁ、、行かねーよ。やる事は変わらねぇ。今夜はカスタムマッチやるみたいだからそこでタイムアタックがてらパルクールの練習だな。」


夏「そっか、、私も見に行っていいかな??」


直人「お前水曜日のBreakBullet出るんだろ?そっちの練習いいのかよ。」


夏「そーだね、、また余裕できたらあっちで会おうね」


何だよ、学校で毎日会ってるじゃねーか、まぁ実際夏もBB(BreakBullet)のランカーだからな。今度試合見に行ってみよっかな、、

いや、俺にはそんな暇は無いはずだ。とりあえず今日も潜って朝までみっちりトレーニングだな。


私はあなたの敗因を知っています。


、、、、、


カスタムは22時からか2時間半プレイした後は少し時間があるな、、まぁその時考えよっ


家に着いてからはいつも通りまずお風呂に入る、そして心が既に作ってくれた料理を食べる、よしっ今日も規定カロリー内。我が家ではだいたい1番先に帰ってきた心が料理を作ってくれる、心は友達と遊ぶためいつも早くに寝て OASIS にINしている。母は仕事で帰りが遅いのでこの時間はいつも1人。

さてとっ、俺もそろそろあっち行くか。


カプセルの蓋を開ける

直人「アラームセット、いつもと一緒で」

ふかふかのベッドの中に横になると自動で透明なカプセルの蓋が閉じる。するとファンとコンピューターが回転する音が聞こえてくる。今日も長い夜が始まろうとしている。


OASIS「システム動作確認。全て正常です。それでは快適な夜を、おやすみなさい。」


意識が遠くなる。


直人「ん、んん」

静かに目を開ける、あぁ今日も帰ってきたんだ。この世界に!


そこらかしこから聞こえる賑やかな声や音楽、沢山の道行くアバター達、まるで渋谷のスクランブル交差点が永遠に広がっているみたいだ笑、目には入り切らない建物達、空を見上げると飛行機に戦闘機、車も飛んでる。あれは乗り物のレースかな?そっちも興味あるんだよねぇ~。

まぁ、何はともあれ


ベル「ただいま!」


♪♪ぶひっぶひっ俺の名はアイラブユー

寂しいなら俺を頼ってくれベイベーんおんおごごごごーれっつぱーりーアスパラ鮪YesポイズンDont fine thank you right?♪♪


電話だ、ピッ


ベル「もしもし?」


REX「ベル!よー!いつINすんのか待ってたぜ!昨日は惜しかったな、まぁ気にすんなよ!来週は勝てるだろ!」


ベル「ったく、相変わらず声がでけーしうるせーよw当たり前だろ、次こそ勝つさ。」


REX「ガハハッ!思ったより元気そうで良かったぜ!今日のカスタムマッチ、出るだろ!?22時から回す予定だ!」


ベル「あぁ、いくよ。いつものとこだろ?」


REX「おうよ、俺のガレージハウス集合だ。」


ベル「了解。」


かれこれREXとは長い付き合いだ、俺がFLY!HIGH!に出始めて間もないくらいにお前の装備は何だ?!て怒られて色々言い合ってる内に意気投合しちまって気がつけば俺の専属メカニックをしてもらっている。レース中につけてるゴーグル(レース外は首から下げてる)とめちゃくちゃ軽くて走りやすいスニーカーに滑り止めと僅かな粘着質の繊維を編み込んだグローブ手袋、どれもこれもREXが作ってくれた物だ。

彼と組んでからメキメキと順位が上がり始め今では世界ランキング2位。

でも俺の夢は、俺達の夢は1位になること。


月曜のレース以外の日はだいたい同じくFLY!HIGH!に挑戦してる奴、これからしようと思ってる奴、だいたい10人くらい集めてカスタムマッチ(模擬レース)を行っている。

この中では勝って当たり前の俺はいつもタイムアタックをしている。どのタイミングで、どの障害物をどの手で、どの指で掴みどの角度で飛ぶか、常に研究、まぁ練習をしている。

いつからかごく一部のOASISギャンブラー達が場外から観戦し勝手に賭けをしている。

REXにそれがバレた日から観戦料を取るようになってそこそこ儲かってるみたいだ。


「OASIS!皆ー!いい睡眠楽しんでるー??

私達 OASIS アイドルグループ!Summerだよー!この度私達が歌う新曲WinnerがFLY!HIGH!のテーマソングに決定しましたー!!いえーい!やっぱりJOKER選手かっこいいよねー!ずっと負け無しってことでWinnerという言葉が1番相応しいと思って作っちゃいましたー!いつか会場でのパフォーマンスもあるかもしれないから皆も是非FLY!HIGH!と私達Summerを応援してね!!」



なんだその広告、、!そんなのJOKERの為の曲じゃねーか!、、はぁ、、、

燃えてきたぜ!!!!!くっそーーー!!


むしゃくしゃして思いっきり走るうちにREXのガレージハウスに着いていた。


REX「おう!ベル!待ってたぜ!皆もうそろそろ準備が整いそうだ!」


ベル「おう!やるぜ!俺はやるぜ!おおおおおお!!」


REX「なんか燃えてんな、いい事じゃねぇか!そうだ!俺達はそうでなくちゃいけねぇ!!」


ルカ「相変わらず燃えてるっすね笑」


横目で呆れ顔に苦笑いを浮かべながら近づいてきたこいつはルカ、本戦(FLY!HIGH!)には顔出さねーがこっち(カスタムマッチ)には良く来る。人型はこっちでは珍しくて逆に気に入ってその容姿を使ってるらしい。金髪のくせっ毛に白いフードつきのパーカーを頭に被っていて、首の隙間からはヘッドフォン、深緑のダボッとしたダメージジーンズに真っ赤なブーツを履いている。


直人「今日はタイム更新すんだよ!!!」


ルカ「俺は今日こそベルさんに絶対勝ってみせるよ、勝ったら賭け金半分くれるってギャンの人達も息巻いてたし笑」


直人「いつも通り本気で来な」


REX「準備は出来たか野郎共!!!」


参加者「おおおおおおおお!!!!!」


REX「今日は練習コース4番だ!このステージは建物がかなり高く設定してある。

己のスキルを磨くも良し、誰かから学び盗むも良し、本気で勝ちに行くも良し、全てが叶う場所 OASIS !!!さぁ今宵も始めよう

じゃねぇか、、本線じゃ味わえねぇ泥まみれのレースをよぉ!!!」


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