第2話 策略
アラーム音(ビビビビビビビビ!)
OASIS(起床を確認、アラームを停止します。おはようございます。4月2日天気曇、降水確率70%傘を持参することを推奨します)
直人「んっ、、んん~~、、朝か、」
また、、負けたんだな、、
心「お兄ちゃん!ご飯だよー!もーお母さん出かけちゃったからねー!早く降りてきてー!」
やれやれ妹のかんだかいソプラノボイスが1階から聞こえる、学校行く準備、、しなきゃな。
2060年、世界の犯罪等は全て人間のストレスによるものと判明。
世界の企業、エンジニア、科学者、技術者が力を合わせて誕生したのが自律神経安定装置OASIS。
OASIS とはカプセル型のベッドである。
人は何かをしているとストレス値がたまるので睡眠の時間にそのストレス値を下げる役割をはたしている。
また世界の病気等もストレスから来るものと判明したことにより OASIS には病原菌やホルモンバランスの乱れ、些細な身体の変化も調節し整える機能を搭載している。
OASIS では強制的な肉体と脳の睡眠状態のまま自由に仮想空間で遊ぶことが出来る。
つまり寝ている状態だが OASIS という仮想空間でアバターを作り朝まで遊ぶ事ができ、それ自体がストレス減少効果を担っている。
人々は国から OASIS を支給され1人1台の使用を義務付けられている。
現在世界での犯罪率は0%
世界の平均寿命は160歳
これはそんな OASIS の中でのレースに全てをかけた1人の高校生の物語である。
心「私もう学校行くから!お兄ちゃんも遅刻しないように早く行くんだよ!」
直人「はいはーい」
妹の作ったベーコンエッグとパンをもしゃもしゃ食べる、摂取カロリーはっと、、ま、昼に調節すりゃいっか。
それにしても昨日の負け、確かにアイツの言った通り俺の注意が足りなくて引き起こしたミスだ、だが手応えはあった。
次は、、、勝つ。
直人「全ての電気消して外出中に部屋の清掃、後洗濯物もよろしく」
家政婦AI「承知しました。いってらっしゃいませ。」
直人「あぁ、いってきます」
ったく4月だってのにまだかなり寒い。
頭の中は昨日のレースの事でいっぱいだ。
皆に会うの嫌だな、、
ゆっくり歩いていると後ろから走ってくる足音が聞こえてきた。
夏「おはよー直人くん!昨日見てたよ!惜しかったね、、あと少しだったのに」
直人「おはよ、見てたのかよ、次は勝つ」
夏「そーだね?笑ほら、早く行こ!遅刻しちゃうよ!」
2人で校門をくぐり靴を履き替えて教室に向かう、憂鬱だ。
ドアを開けると蓮と花が声をかけてきた。
蓮「直人!お前まーーた負けてやんの!笑
万年二位は不動だな!JOKERには勝てねーよ笑」
花「もーやめなよ!直人くん惜しかったね💦私は朝のネットニュースで見て知ったけど2位も凄い事でしょ?」
ったく
直人「はいはい昨日は惨敗ですよー、来週は俺が必ず勝つからみてろっ」
蓮「先週も同じセリフ聞いた~笑あいたたた笑」
夏「、、」
直人「ったくストレスだぜ」
蓮「ばーか笑 OASIS のおかげで今日もストレスなんてねーよ笑」
先生「朝礼始めるぞー」
生徒「はーーい」
くそ、くそくそ昨日のは俺の得意なステージだった。ウィングブーツを早々に手に入れ後続に差をつけた、その時点では1位。その後JOKERがアイテム入手後に追い上げ、ゴール前直前で逆転負け。プランは間違って無かったはずだが、他のアイテムを探すべきだったか?いや、それじゃどのみち間に合わなかった。ハッキングをして、いやそれはもっと時間がかかる。コースは最短を選択したはずだがパルクールパフォーマンスはやはりJOKERの方が1枚上手だ。今夜も練習だな、いつものカスタムタイムアタックで。
まだ足りない物が俺には沢山あるはずだ。
先生「であるからして~ OASISは ~」
昼食
蓮「直人!昨日のベルvsJOKER Witter(呟きアプリ)のトレンドになってるぜ!」
花「わぁほんとだ!改めて動画見ても凄い盛上がりだね」
直人「当たり前だろ、FLY!HIGH!は OASIS の中でも1位2位を争う人気コンテンツだからな、レースで賭けをしてるヤツら、あっちでミラー配信してるVtuber、色んな所で話題になってるしな」
夏「そんな所でトップ争いをしてる直人くんはほんと凄いよ!」
花「ふ~~ん笑」
夏「な、何よ!」
花「べ~~つに~笑」
夏「もーー!からかわないでよ花ちゃん!」
蓮「しかし実際の所JOKERに弱点らしい弱点は見つからねぇ、来週、お前どーやって勝つつもりだ?」
来週、どのステージが来るか、月初以外はランダムだ。JOKERの弱点、確かに勝つことばかりであまり考えたこと無かったな、過去のレース動画でも見返してみようかな。
放課後
夏「直人くん一緒に帰ろ~!」
直人「おー」
光「瞑 直人先輩?」
直人「君は、?」
光「初めまして、私は1年2組の柳 光と申します。私はあなたの敗因を知っています。」
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