恐怖に怯える幼馴染…犯人はいったい…

猫の集会

だれっ⁉︎

 朝だ…

 

 わたしは、太陽に照らされて目覚めた。

 

 

 そういえば…昨日も朝がきた可能性があるな…。

 

 また、朝のやつが定期的にやってきたようだわね。

 

 

「おはよう…」

 

 一応わたしの部屋には誰もいないけど挨拶をしてみた。

 

 だって小学生の頃先生が朝は、おはようって挨拶しましょうねって言っていたもんな。

 

 なので忠実に守るわたし。

 

 すると…

 

「おはよう!」

 って返事が返ってきた。

 

 ⁉︎

 

 だ、誰っ‼︎

 

 

「だれかいるの?」

 

 とわたしの質問に

 

「だれかいるの?」

 と、また返された。

 

 だれ?

 

 ってか、そんな高い声の知り合い…いないよ?

 

 えっ…

 

「だれっ?」

 

 わたしの質問にまた

 

「だれっ」

 

 と返してくる得体の知れないやつ。

 

 …

 

 ええー…

 

 こわっ…

 

 まぁ、でもこれが夜じゃなくてよかった。

 

 こんばんは…こんばんは…なんて知らない人に挨拶されるくらいならおはようの方がまだましだし。

 

 それに夜よりも朝起きてる人の方が、世の中には比較的多いからね。

 

 何かあったら誰かしら助けてくれるだろう。

 

 ‼︎

 

 あ、なおに助けを求めよう。

 

 トゥルルルル

 

「もしもし、おはよう。どうしたの?」

 

「おはよう…」

 と、わたしが尚にいうと、またおはよう返しされてしまった。

 

 ええ…わたしは、尚におはようっていったのにな…。

 

 

「どうしたの?」

 

 電話の向こうでは、心配そうな尚。

 

「あの……とりあえずわたしの部屋に来てよ…」

 

「あの……とりあえずわたしの部屋に来てよ…」

 

 ⁉︎

 

 だれっ?

 

 さっきから誰もわたしの部屋にいないのにわたしの真似するやつだれっ⁉︎

 

 てか、わたしの部屋に来てよってなんであんたが言うのさ…。あんたの部屋じゃなくない?と心の中で講義しながら、布団で怯えていると尚がわたしの部屋に入ってきた。

 

「どうした?」

 

「どうした?」

 

 尚が心配するのはわかるよ?

 

 でも、なんでまたあんたがどうした?なんて聞いてくるわけ?

 

 あんたがどうした⁉︎なんだよ‼︎

 

 と、内心恐怖から怒りに変わりつつあった。

 

 すると尚が、

「あー、昨日オレがあげた誕プレ布団の下に落としてー」

 といい、取り出してテーブルに置いた。

 

「あー、ごめん」

 と、謝りながら部屋をキョロキョロしたがやっぱり誰もいない。

 

 ってか、あれ?

 

 尚が来てからオウム返しがない。

 

「あーあーっ…」

 

 …

 

 言わない。

 

「えっ、待って!コワイんだけど‼︎」

 

「うん。確かにオレを呼びつけておいて急にあーあー言われたらコワイな…。」

 と呆れる尚。

 

「そうじゃなくて、誰か部屋にいるの‼︎」

 

「…うん。オレと美耶みなな」

 

 

「違う‼︎もう一人…いるの。」

 

「えっ?コワイ系⁉︎」

「うん。かなりコワイ系…」

 

「わかった!美那、オレにつかまってな。」

 

「うん。」

 

 …

 

「ちょっと‼︎つかまりすぎ‼︎てか、オレにそんな絡みついたら身動きとれないからっ」

 

「あー…。ごめん。必死すぎた…」

 

「まぁ…、いいけど。で、泥棒はそんなにゴツイの?なんか持ってた?」

 

「えっ?泥棒なの⁉︎」

「ん?違うの?」

「わたしてきには…ホラー的なコワイ系かと思ってたんだけど。」

「あー、そっちか。ならよかったー」

 

「えっ、ホラー好きだっけ?」

「いや、そうじゃないけど…で、だれかいるってのは、見えたの?」

 

「ううん。聞こえたの。」

「何が?」

 

「おはよう、とか、だれかいるの?とか…」

 というと、尚は

「えっ、こわっ‼︎他になんか言ってた?」

 と聞いてきたので、

「とりあえずわたしの部屋に来てよって…」

 とこたえると、

「それって…連れて行かれる系…なんじゃ」

 とコワイとこを言い出した。

 

「やだ、やめてよ‼︎てかね、さっきまでずっとわたしの真似してたくせに、尚が来たら黙ったんだよ?」

 

 …

 

「え、もしかして…ずっと話すこと真似されてなかった?」

 

「うん!してた!ずっと、おはようもだれも全部オウム返し‼︎」

 

「あーわかった。」

 

 尚が、テーブルのぬいぐるみの背中あたりを押した。

 

 そして、

「おーい」

 と尚がいうとぬいぐるみもおーいと返してきた。

 

「えっ?」

 

「このぬいぐるみ、スイッチ入れるとオウム返しするぬいぐるみなんだよ。説明書渡したよね?」

 

「あっ、そういうこと…。もーびっくりしたじゃーん。」

「ごめん。ちゃんと説明しなくて。」

「ううん。こちらこそ、説明書ちゃんと見てなかったわ。ごめん。」

 

 というわけで、無事解決したのでありました☆

 

「尚、すぐに駆けつけてくれてありがと♡」

「うん。なんかあったらいつでも駆けつけてやるよ」

 

 ふふ、なんだか尚が初めてかっこよく頼りになるなって思った一日でした。

 

 

 その日から幼馴染を恋愛対象として、みるわたしなのでありました。

 

 

 おしまい♡

 

 

 

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