一途で可愛い犬系彼女と猫系彼女、どっちがすき?

ゆうき±

第1話 犬系と猫系の幼馴染

「ともともとも~!!」

「利美、うるさい」


 部屋で一人楽しくゲームをしている僕事 金田智晴の部屋に遠慮なし気に入ってくる二人の女の子に目を向ける。

 先程僕が呼んだ方の名前は彼方かなた利美りみ

 腰まですらりと伸びた長い黒髪の女の子だ。


「お邪魔するよ~」


 そしてこっちの方が彼方 瑠海るみ

 彼女と同じく黒髪のおっとりした雰囲気の女の子だ。

 双子の姉妹にしてどうしてここまで性格が違うのだろう?


「お邪魔するなよ、帰れよ」

「そんなこと言わずに……あ、このゲーム丁度私もやりたかったんだよね。 やらせて!!」

「ちょ、待てって、わかった少し待てここ終わったらセーブするから!!」


 僕の横に座り、コントローラを奪い取ろうとする利美を落ち着かせ、ステージをクリアしセーブをするとマルチを選び彼女にコントローラを渡す。


「お、いくつかキャラ解放してんじゃん、私これにしよ~っと」

「瑠海はどうする?」

「私もやる~」


 瑠海はスッとコントローラを取ると、横に座る。

 

「私、これにする」

「じゃ、俺はこれにするか」


 そうして選んだのは利美が大剣・瑠海が弓・僕がサポート盾だ。

 このゲームは自分が育てたキャラを最大4画面で共有することができる。

 

「なに行く?」

「う~ん、皇女討伐行くか」


 皇女討伐、このゲームのストーリーである国の皇女と入れ替わった化け物が僕らプレイヤーの前に立ちはだかるというボス戦だ。


「レベリング、素材共に効率がいいし」

「そうだね、そうしよっか」


 そうして敵の元へ向かう。

  

「そう言えば、二人とも学年一位二位おめでとう」


 中間試験の結果にお祝いの言葉を贈る。

 二人は僕らの学校で文武両道才色兼備とされている。

 学年で二年連続中間試験で一位二位を二人で総なめしている。

 加えて利美は運動部で、瑠海は文化部でそれぞれ部活動で結果を出しているのだ。


「今回は瑠海に負けたけどね、次は負けない」

「殆ど負けてんじゃ~ん」


 瑠海の煽りに、利美は眉を寄せる。

 二人は互いに対する時だけ負けず嫌いで互いが互いに負けるのだけは許せないという感じなのだ。


「何か言った?」

「別に~」


 睨む彼女に面倒くさそうに瑠海は答える。

 勉強面においては中学から今日にかけて彼女の方が勝ち越しているのだ。

 

「ムカつくムカつくムカつく」


 彼女はそう言いながら、悔しそうな表情を浮かべながら僕に当たる。


「こら、僕に当たるな!!」


 どうしてここまで競い合うようになったのか、未だにわからない。

 気が付いた時には二人で競い合っていたのだから。


「二人でいちゃついてないで準備して始めようよ~」


 いちゃついてるように見えるか?

 どう考えても当たられてるようにしか見えないのだ。

 利美はそう言われ、顔を真っ赤にして隣に座り込む。


「前衛頼んだよ~」

「おっけ」


 前衛でヘイトを集め、相手とバフ共有の守護者ガーディアンと物理耐性を上げるブロテクションのスキルを使う。

 このボスは主な攻撃が物理の為、二人を守りながら倒していくしかないのだ。

 

「離れるなよ」

「任せなさい」

「利美、突っ込みすぎ」

 

 そう言って戦闘が始まる。

 僕らは皇女の殻を割りにかかる。

 部位は六つ兜・手甲・甲冑だ。

 部位を壊すことで倒したときの貴重な素材のドロップ率が高くなるからだ。

 これは優先事項であり、他のパーティーに取り巻きの駆除を任せる。


「怯み、いれるよ」

「了解」「了解~」


 怯みを入れると、部位破壊のマークが現れる。

 二人はそれを徹底的に弓と剣で破壊しに向かう。

 

 間に合わないか。

 

 僕は庇護者カバーを入れ彼女らのダメージを引き受ける。

 盾職の能力、根性でHPが1残る。

 自動使用の回復薬で少しずつ回復する。

 

「次、気絶いれるよ」

 

 気絶を入れると同時に二人は続けざまに破壊しにかかる。

 2つ、部位の破壊する音がした。

 残りは一つ。


「そろそろ下がりなよ、薙ぎ払い来るよ」

「「うぃ~」」

 

 タイミングを掴んだのか、二人は回避する。

 根性は一度しか使えない為、二度目はHPが残らないので避けてくれるのはありがたかった。

 そして部位を全て破壊し終えると、一気にとどめを刺した。

 そうしてそれを何周と繰り返していると、母親が入ってくる。


「あら、二人ともいらっしゃい」

「「おじゃましてま~す」」

「ご飯、よかったら食べていく?」

「いいんですか!?」

「お言葉に甘えて、いただきます~」


 そう言うと、ゲームを中断し僕らは食事をする。

 二人とは幼馴染だ。

 幼いころからずっと一緒の腐れ縁である。

 幼馴染というと、アニメや漫画ではメインヒロインの位置だと思うだろうが、現実は何も感じない。

 趣味友、同じ趣味を共有する只の趣味友幼馴染だ。

 それ以上でもそれ以下でもない。

 そうしてご飯を食べ、再び部屋に戻るとまた二人で狩りを始める。

 

「あのさ~」

「何?」「何よ」

「お前ら、自分の部屋でやれよ、ゲームあるだろ」

「何言ってる?」

「皆でゲームした方が楽しいじゃない」


 確かに二人の言う通り、皆で楽しんだ方がいいには決まっているのだが。

 無防備なんだよなぁ~。

 二人とも夏だからか薄着で入ってくるから目のやり場に困るのだ。

 

「わかってない」

「そんなんだから私たち以外に友達がいないのよ」


 それは、君達のせいなんだよなぁ~。

 この二人は男子どもに人気がある。

 誰にでも分け隔てなく接する利美にクールだが面倒見のいい瑠美、対極的な故利美派と瑠美派に分かれているくらい位だ。

 そんな二人が学校内外で僕に今のように接することが多い為、必然的に男子の的になることは必然以外の何物でもない。

 とはいえ、二人とゲームをするのも楽しいのもまた事実だ。


 それに二人を突き放すのも気が引けたというのもある。

 二人とは兄妹のように接してきたこともあり、今更離れるというのも考えられないのだ。

 

「まぁ、智には利美と瑠美私達がいればいいもんねぇ~」

「ねぇ~」


 そう言って二人は笑顔でそう言った。

 その笑顔に少しドキッとしてしまう。

 

「それじゃ、続きやろ!!」

「やろ~」


 そう言って三人で朝までゲームを続けるのだった。



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 いったんここで完結です。

 理由としては書き始めて半年放置で方向性が消失したからです。

 一応、ある程度きりのいいところで終わらしたつもりですが、久しぶり過ぎてもしかしたら意味わからん場合もありますが、指摘していただくと嬉しいです。

 定まり出したら、もう一度書き直して投稿する予定ですのでこの話が好きな方は僕の違う作品を呼んでお待ちいただけると幸いです。

 では、次回の新作までお待ちいただけると幸いです。

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一途で可愛い犬系彼女と猫系彼女、どっちがすき? ゆうき± @yuuki0plus

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