〝ごめん〟が言えなくて。



──────学校からの帰宅後。




石ちゃんの家の、石ちゃんの部屋。




静かな空間で、見つめ合う私たち。




ゴクリと唾を飲み込んで..................




「...............石ちゃん、」




名前を呼ぶだけで、とても緊張して。




バクバクと暴れ出す心臓。




「............ん。なに、あかり、」




なんだか、とても気まずいけど。




ずっとこのままは、絶対嫌だから.........




「素直に、〝ごめん〟が、

言えなくてごめんね...............っ、」




石ちゃんに目を合わせないまま、そう告げた。



すると、石ちゃんは..................



「いや、僕こそごめん。

〝ごめん〟が言えなくてごめん」



石ちゃんが言う必要ないのに、そう言った。




「っ、石ちゃんが言う必要は......っ、」




石ちゃんの言葉に慌てて近よると。



「少なからず、僕も悪かったとこあるから。

これからは、〝ごめん〟をちゃんと言えるようにしよ」


「......っ、うん!」




私たちはきっと、幼なじみって関係に、

少し甘んじて、言葉にしないことがあった。




〝ごめん〟もその1つで............




でも、〝ごめん〟が言えなくて、

石ちゃんと話せないのはもっと辛いから。




これからは、努力して、

──────変わっていこうと思えた。






fin.

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〝ごめん〟が言えなくて。 二宮みぃ。 @2nomiya_mi

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