新釈グリム童話

第3話 「灰かぶり姫」～ざまぁの元祖～

　まま母（はは）と二人（ふたり）の姉（あね）にイジメられる女（おんな）の子（こ）がいました。

　名（な）を灰かぶり（アッシェン・プッテル）、灰（はい）まみれできたない子（こ）という意味（いみ）です。

　二人（ふたり）の姉（あね）は着（き）かざってパーティーに行（い）きました。

　灰（はい）かぶりはドレスがなかったので、小（ちい）さな木（き）にお願（ねが）いしました。

「ゆれて動（うご）いて、金銀（きんぎん）を下（くだ）さいな。」

　落（お）ちて来（き）たドレスを着（き）ると、大喜（おおよろこ）びでパーティーに行（い）きました。

　王子様（おうじさま）はきれいなドレスを着（き）た灰（はい）かぶりに言（い）いました。

「ぼくとおどりましょう。」

　パーティーが終（お）わり、灰（はい）かぶりは急（いそ）いで家（いえ）に帰（かえ）りました。

　あわてていたので、金（きん）の靴（くつ）を落（お）としてしまいました。

　王子様（おうじさま）は靴（くつ）の持（も）ち主（ぬし）を探（さが）しました。

　二人（ふたり）の姉（あね）は、私（わたし）こそと名乗（なの）り出（で）ました。

　上（うえ）の姉（あね）が靴（くつ）をはこうとすると、つま先（さき）が入（はい）りません。

　親指（おやゆび）を切（き）り落（お）としましたが、血（ち）だらけでバレました。

　ざまぁ！

　下（した）の姉（あね）が靴（くつ）をはこうとすると、かかとが入（はい）りません。

　かかとを切（き）り落（お）としましたが、血（ち）だらけでバレました。

　ざまぁ！

　最後（さいご）に灰（はい）かぶりが靴（くつ）をはくと、ピッタリでした。

　こうして王子様（おうじさま）と結（むす）ばれました。

　二人（ふたり）の姉（あね）は、結（けっ）こん式（しき）でおこぼれにあずかろうとしました。

　すると白（しろ）い小鳥（ことり）が来（き）て、両目（りょうめ）を食（た）べてしまいました。

　ざまぁ！

　現在（げんざい）も女性（じょせい）に大人気（だいにんき）のシンデレラ・ストーリー。

　ざまぁ！　の元祖（がんそ）の物語（ものがたり）です。