新釈グリム童話

第5話 「白雪姫」～ざまぁの元祖～

　ある国（くに）に美（うつく）しい后（きさき）がいました。

「鏡（かがみ）よ鏡（かがみ）、世界一（せかいいち）の美人（びじん）はだあれ？」

「お后様（きさきさま）です。」

　雪（ゆき）の降（ふ）る夜（よる）に生（う）まれた子供（こども）を、白雪姫（しらゆきひめ）と名付（なづ）けました。

「鏡（かがみ）よ鏡（かがみ）、世界一（せかいいち）の美人（びじん）はだあれ？」

「白雪姫（しらゆきひめ）です。」

　鏡（かがみ）はウソをつきません。

　しっと深（ぶか）い后（きさき）は、ねたみました。

「白雪姫（しらゆきひめ）を殺（ころ）して内臓（ないぞう）を持（も）って来（き）なさい。」

　言（い）われた男（おとこ）は白雪姫（しらゆきひめ）をにがし、代（か）わりに付近（ふきん）の子供（こども）を殺（ころ）しました。

　后（きさき）は内臓（ないぞう）を焼（や）いて食（た）べました。

「鏡（かがみ）よ鏡（かがみ）、世界一（せかいいち）の美人（びじん）はだあれ？」

「白雪姫（しらゆきひめ）です。」

　鏡（かがみ）はウソをつきません。

　７人（にん）の小人（こびと）に助（たす）けられ、白雪姫（しらゆきひめ）は生（い）きていました。

　后（きさき）は自分（じぶん）で殺（ころ）そうと考（かんが）えました。

　妃（きさき）はま女（じょ）に変装（へんそう）し、白雪姫（しらゆきひめ）に毒（どく）りんごを食（た）べさせました。

「鏡（かがみ）よ鏡（かがみ）、世界一（せかいいち）の美人（びじん）はだあれ？」

「お后様（きさきさま）です。」

　死（し）んでしまった白雪姫（しらゆきひめ）。

　そこへ王子様（おうじさま）が通（とお）りかかりました。　

「この美（うつく）しい姫（ひめ）をゆずって欲（ほ）しい。」

　帰（かえ）ると中（ちゅう）、白雪姫（しらゆきひめ）を落（お）としてしまいました。

　その時（とき）のどにつまっていた毒（どく）りんごが飛（と）び出（だ）しました。

　白雪姫（しらゆきひめ）は目（め）を覚（さ）まし、王子様（おうじさま）と結（むす）ばれました。

　白雪姫（しらゆきひめ）を殺（ころ）そうとした后（きさき）。

　真（ま）っ赤（か）に熱（ねっ）した鉄（てつ）の靴（くつ）をはかされ、おどるように飛（と）びはねながら死（し）にました。

　ざまぁ！

　現在（げんざい）も女性（じょせい）に大人気（だいにんき）のシンデレラ・ストーリー。

　ざまぁ！　の元祖（がんそ）の物語（ものがたり）です。