第2話 生活
朝日がまぶしい。土曜日の朝だ。部屋が散らかっている。こんなに汚かったっけ。月から金で汚くなって、土日で部屋を綺麗にする。机の上には酒の空き缶や散らかったノート、使い終わったペンなどが散乱していて、床には洋服や本が放り投げられている。コップやお皿、食べかけのお菓子などもテーブルの上に放置されている。でも汚い部屋に芸術性を感じている自分もいる。非対称に折り畳まれた洋服、横たわった空き缶、ミクロな視点で見ても美しいし、廊下から部屋全体を見ても、一つ一つのモノが奇跡的な配置に見えてくる。この部屋の芸術性は、何か一つ欠けたら成立しない高尚な絵画に思えて、そのままにしたくなる。 土日休みは基本的にスマホを家に置いて、読みたい本を持って喫茶店に行く。喫茶店でよく頼むのが、タマゴハムミックスとコーヒーだ。一口食べると、ふんわりとしたパンの食感とタマゴやハムの旨味が口いっぱいに広がる。サンドイッチを食べ終わったら、コーヒーをちびちび飲みながら本を読む。この時間が幸せだ。
原色の孤独 @ryo09zw
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