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あるところに、ひとりの大男がいました。

その男は力があり、強い魔力を持っていたため、皆から恐れていました。

誰かを助けても逃げられる。怯えられる。

そんな日々に次第に元気が取り柄の大男は疲れていきました。

ある日、男の前に一人の少年が現れました。

その少年は男におびえる事もなく、男の存在を受け入れてくれました。

そして、男は思います。自分もこんな風になりたい。

誰かを守って、自分が少年にしたように感謝をされたい。

そう打ち明けた男に、彼は言いました。

砂漠の都にあるピラミッドで願いが叶うと

それを聞いた男は少年に感謝し、一緒に行こうと誘います。

ですが、少年は静かに笑って首を振りました。

男は少年に誓いました。家族を作って、その家族と一緒に少年と彼を守ると

そうして男は旅に出ました。約束を果たすために



第四章 家族(いつわり)


ぼくらはいっぱいいたけど、いつもばしょをおわれていた。

そして、なにもない砂だらけのばしょまできてしまった。

だれもぼくらをみてくれなくて、さみしく、さみしくてくるしかった。

そんなとき、大きな人がぼくらのまえにあらわれた。

「ふははっ!!お前たち、この四天王であるワシに従え!!」

そう言いながら、その人はぼくたちにお家をくれて、いっしょにいてくれた。

「なに? さみしいだと!?ならば、ワシがお前らのパパになってやろう!!」

パパは、いつもぼくらといっしょにいてくれて、いろんなことを教えてくれた。

言葉や優しさ、暖かい気持ち、いっぱいいっぱい教えてくれたんだ。

人間みたいな姿の仲間はおにいちゃんっていうんだって

おにいちゃんって呼ぶと、仲間は嬉しそうにしてて、僕も嬉しかった。

パパは、ゆうしゃっていうのをやっつけるのがお仕事で、明日戦うんだって。

「お前たちは弱いから隠れて、ワシの雄姿を見ているがよい!!」

そう言って、パパはゆうしゃたちと戦った。

『パパがんばれー、ゆうしゃなんてやっつけちゃえ!!』

「パパー!!あとちょっとだよ!!」

隠れながら僕たちは一生懸命応援した。でも・・・

僕らはパパの言いつけを初めて破っていた。

『おねがい、パパをいじめないで!!』

『やめて、やめて、おねがい!!』

必死に言う僕たちをパパは抱きしめる。

ふだんなら嬉しくてしょうがないのに、今だけはとても悲しかった。

ぱぱ・・・ぱぱ・・・ぱ・・・・



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転生者は隠しボス @misukurieisyou

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