第12話
金曜日、誠の来る日だ。
今回は百合が大量にお酒を買っておいた。
事前に飲みたい気分だとも伝えている。
いつもの時間チャイムが鳴る。
誠はおつまみを沢山買って来てくれていた。
映画を見ながら酎ハイを沢山飲んだ。百合は酔ったふりをした。誠は本当に酔っているようだ。2人で寝室に行きベッドに転がると誠は早々にイビキをかきはじめた。
百合はゆっくりと音を立てずにベッドを出る。
例のスマホは、テーブルの上に置いてある。
手に持ち中を見ようとするとロックがかかっていた。誠の誕生日を入れてみたがダメだ。ふと、自分の誕生日を入れてみた。
開いた!
LINEを開いてみる。やはり…
明子とのやり取りがあった。中を見てみると…
そこには、全て記録が残っていた。
明子が自分に恨みを持っていた事、マッチングアプリで復讐して欲しい事、誠はお金は要らないから復讐を辞めさせて欲しい事。
明子は自分を恨んでたなんて…
通話履歴を確認してみる。
明子が殺された30分前…
やっぱり犯人は誠…
全て辻褄が合った。
百合はクローゼットを開けると新聞紙に巻かれたトンカチを自分の通勤バックに入れた。どこか遠くに隠そうと…
嘘から始まった恋でも今は本当に愛してくれている。そう信じたい。誠を守りたい。
「明子、あなたが誠と出会わせてくれたのね。あなたの分も幸せになるわ。子供は2人産むわね。さよなら。」
マッチングアプリで恋しただけなのに… 恵里子 @erinko0423
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